高い声が苦しいのは喉に力が入っているからです ボイトレ『脱力スペシャル』
カラオケや合唱などで、高い声を「あ"~ッ!」と、キツそうに歌っているのを聞くと、聞いているだけで辛くなってしまいますね。
どうしてこんな風になってしまうのかというと、首周りの筋肉で喉を絞めて声を絞り上げて歌っているからですね。
本当は 「喉や首周りの脱力をして、声帯だけにお仕事をしてもらう」というのが理想の姿です。
高い音が、楽器のようにキラキラとした音色で伸びがよく転がるように出せる人は、きちんとした脱力が出来ているのです。
ただ、発声においての脱力というのは結構難しいもので、何年やっていても、ここぞというところで力が入ってしまうことはよくあることです。
良い声を出そうと思うとき「いつもの方向で、いつもの力の入れ方」というものをガチガチに体が覚えこんでしまっているので、なかなか治らないのです。そこをなんとかリセットしたいものです。
そのために私は、「上を向いて発声練習をする」というトレーニングをよく行います。
上を向くことで喉頭周辺の筋肉を伸ばして、緊張しないようにするのです。
よく、スポーツでストレッチをすると伸ばしている筋肉に力が入らずにリラックスしますよね。それと同じ理屈です。
特に、上を向くと高いキーが下がってしまう、という場合は、やはり締め上げて歌っているということがよく分かります。
トレーニング方法は以下になります。
◆上を向いてボイストレーニング(脱力編)
【パターン1】
上を向きながら高い音をなるべく弱く小さな声で発声「あ~」と長く伸ばす。
ポイント:すぐに下がってしまうようなら、安定して出せる音域まで下げて行う
【パターン2】
以前お伝えしたエッジボイスを高音にして「あ"~」と、出来るだけ弱く、小さいエネルギーと少ない息で長くのばす。聞こえ方としては「超音波」または「蚊が耳元に飛んでいる」ような音。綺麗な音ではない。声帯にのみに集中できるスペシャルな方法。それをさらに「上を向いて行う」。首が疲れたらもちろん通常の首の位置で行っても良いですし、脱力を覚えれば上を向かなくても効果は同じです。
これも下がらない音域から始めて、少しずつあげていってください。
☆エッジボイスは下記を参照頑張って大きな声を出していても上手くならないその理由 知的で説得力のある響きを手に入れるビジネスボイストレーニング 『声帯攻略編』
【パターン3】
首をぐるぐる回しながら「あ~~」と高い音を出してみる。音があまり変化がないようならば上手くいっている。
特に【パターン2】は、最初はなれないと少しキツイです。
でもやっているうちに、伸ばしていることが気持ちよくなってきます。ここまでいくと超高音が本当に楽に出せて綺麗な響きになってきます。
ボイトレの記事は、3年近く書いていますがこのトレーニングは書こうかどうかいつも迷っていました。特にパターン2の高音エッジの音が文章でどれだけ伝わるかが気になったからです。でも、やっていただいて覚えていくのが一番かなと思います。
本当は響きだけで音が作れたら、大きな声などいらないのだということがよく分かります。
脱力を体が覚えていくと、軽く普通に歌っていても声が変わっていきます。
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