表現するための観察力と瞬発力
2012年11月3日、私が運営・指導を務める合唱団「コール・リバティスト」の練習がありました。この日は、東京混声合唱団のテノール秋島先生にもご指導いただきました。
山田耕筰作曲の歌で「青蛙」という作品を歌いました。
子供のための作品のようでいて、大人も共感できるような情緒にあふれた音楽です。
詩人、三木露風の純粋無垢な視線で、蛙の生き生きした表情が描かれていています。
蛙が目をパチパチさせている様子が、びっくりしているように見える。
これは蛙からするとびっくりしているわけではないのですが、人間から見るとそう見える、というように詩人は描いています。
そして、あっちむいたり、こっちむいたり、きょろきょろしている様子。これも、蛙にしてみれば敵に襲われないように警戒しているだけなのですが、人間から見ると可愛らしく見えるというわけです。
そういう蛙の描写を、山田耕筰が美しいメロディで彩ってくれています。
蛙の機敏な動きを上手に表現するために、秋島先生は「あまりのろのろと歌わないように」とお教えくださいました。
場面によって、サッと表情を変えていく瞬発力がいるのですね。
そのためにはテンポ設定です。テンポが4小節ごとに変わるような作品で、しかもあっと言う間に終わってしまうような短さです。
しかも、一人で歌っているわけではなく何十人もの人数で歌っていますから、一度テンポ設定を決めたら、全員が瞬時にその通りに歌うと上手くいきます。
「青蛙」を全体で歌うには、テンポをしっかり決めておくことが良い演奏のために大事なことですね。
秋島先生の子供の頃は、蛙やカメ、フナなどは、格好の遊び相手だったそうです。身近な存在でなくなった蛙をどのように表現するか、いまとなっては、「研究」が必要ですね。
水族館にでも行ってみようかと思っています。
・・・・・・・・・
【お知らせ】コール・リバティストでは、一緒に歌う仲間を募集中です。
体験レッスンもあります。⇒お申込みはこちら