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低い声で遠くまで聴こえる大きな声を出すには響き そのトレーニング方法

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低い声を出そうとすると、どうしても「うう~っ」と唸るような「低い位置」で歌ってしまう。
そうすると、響きが落ちてしまい聴こえなくなります。
 
2012年8月4日私が運営・指導を行う合唱団「コール・リバティスト」の練習がありました。
 
この日は夜の二部練習に、東京混声合唱団のテノール歌手で合唱指導者の志村先生にいらしていただきました。
 
志村先生は、音が低くなればなるほど、一個ずつ上がっていくつもりで響きを作ってください、とおっしゃいます。
それは私も同感で、普通の人は音が高くなればポジションを高い位置に持って行き、息を多めに流すのですが、低くなると、途端にポジションを低い位置に変えてしまい、息が流れなくなります。
 
本当に上手い人は、低くなればなるほど、高い音と同じように、高い音に向かっていくように響きを高い位置に作り、息を流しているのです。
どんなに音が低くても必ず響きは高く上にあります。
 
ハミングで響きを集めておいて、続けて口を開けて響きを逃さない練習を行いました。

1、「m~」ハミング

*口の中に「ア」と同じような空間が出来ていること。
鼻のあたりに響きを集める。
 
2、「m~」と歌いながらそのまま口を開けて「m~a~」
 
*口を開けたとき、[m]で作った響きを逃さない。
口の前を開けすぎると、どうしても奥が狭くなってしまい響きが減ったり、音が散ってしまう傾向になるので、響きを聴きながら口の開け方を調節すると良い。ただ、口を開けすぎないのも響かないので気をつけて。響いていれば、[m]のときのビリビリくる感覚が残っているはずなので、よく聴きながら行うことをお勧めします。
お腹の「支え」(へその下の「丹田」と言われる場所がパンと張っている状態)も意識して。

これが、低い音域でもできているようになると良いのです。
 
低い音域でボリュームを出すのは大変難しい。
それにはどうしても響きです。
低い声が出ないからと、無理して「あっ!」と頑張った瞬間、そこではすごく良い声なんだけれども、どうしても前に行かない。そばではうるさいほど聴こえるのですが、なぜか客席まで声が届かないのです。
 
合唱では、女声の低音アルトと男声の低音バスが響きをつけていただくと、ハーモニーがしっかりと鳴って、高音パートのテノールとソプラノが楽になります。
また、テノールやソプラノでも、曲の中で中音域はよく出てきます。響かない状態で音域が低くなると、メロディや歌詞が埋もれてしまって、旋律が途切れて聴こえてしまうということがよくあります。ぜひ皆さんが全員が、低い声も響きで歌えるようになっていただきたいと思っています。
 
この日は、山田耕筰作曲・増田順平編曲「青蛙」、佐藤眞作曲の「蔵王」より「どっこ沼」と「吹雪」を歌いました。
 
ハミングの響きは、午後の一部練習でも、みんなで頑張って探しています。
ぜひ、ハミングで響きを開発してみてください。

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