喉が疲れたらつばを飲み込む
高い音の曲を長時間歌い続けていると、マラソンで言う喉が上がってしまうような状態になり、声の質が浅くなってしまいなかなか戻らないことがあります。
2012年7月22日運営・指導している合唱団「コール・リバティスト」の練習を行いました。夜の練習に東京混声合唱団の秋島先生にいらしていただきました。
秋島先生は、佐藤眞作曲の「蔵王」はプロでも大変な作品だとおっしゃいます。なぜなら、9曲の作品から成る組曲で演奏に30分近くかかり、そのどれもが高い音の連続だからです。
良い声を出すためには、喉頭を下げる筋肉を使います。
実は下げすぎも良くないのですが、初心者の場合はたいてい喉頭が上がってしまう傾向にあります。カラオケなどで、高い音の曲を歌い続け、コントロールがきかない浅い音になっている方がよくおられますが、それは喉頭を下げる筋肉が疲労し、喉頭が上がってしまっているからです。
喉頭を下げる筋肉をリラックスさせるためには、水を「ごっくん」と飲み込む動作が有効だと教えていただきました。
喉頭(喉仏)を触りながら、つばをゴクリと飲み込むと、喉頭はいったん上がって下がるのが分かります。この動きがリラックスにつながります。
肩が凝ったと思ったら、肩や首を回してリラックスしますね。それと同じことを声帯にも施すと良いのです。
だから、講演のときに講演台の上に水が乗っているのは、乾いた喉を潤すというだけではなく、筋肉をリラックスさせるための理にかなったことなのですね。
演奏会では、舞台で水を飲むということができません。しかし、合唱の場合は他のパートやピアノ伴奏が演奏していて自分が休む時間があります。もし長時間の本番ならば、そういうちょっとした隙に、はしたなくない程度につばを飲み込んで力を抜いていくことが歌いきるコツです。
もし曲と曲の間にソデに引っ込む時間があれば、お水を用意しておくと良いですね。
本日は、16時過ぎより新宿文化センターで行われる、東京都合唱連盟主催「合唱祭」で「蔵王」の「蔵王賛歌」と「早春」演奏します。
どちらも、「蔵王」の中でも特に有名な作品です。
皆で心を一つにして、良い演奏ができるといいですね。
楽しみです。