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ライフワークとしての学びを考えます。

素晴らしいオーディオで音楽を聴くことは才能を育てることに関係あるのか

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「子供には小さい頃からできるだけ良いオーディオで音楽を聴かせたほうがいいでのですか?」
 
最近よく受けるご質問です。
 
きっと、できるだけ良い音を子供のうちから聴かせる方が耳や感性のために良いのでは?ということなのでしょう。
 
私は、オーディオには凝らないほうです。
今、家にあるのは小さいオーディオセットが一つあるだけです。それもほとんど使いません。もう一つ、iPhoneにつなげるスピーカーもありますがこれもあまり使ったことがありません。
 
私が尊敬する指揮者のY先生は、「若い頃は貧乏だったからオーディオセットなんて買えない。小さなラジオでFM放送をのべつまくなし流していた。家に帰って電気をつけるスイッチを押すと、自動的にラジオがつくようにセットしていた。それを食い入るように聴いていた。他には東京文化会館の図書館だね。今はいい時代になったね」
とおっしゃっていました。
 
私も子供の頃、母親がFM放送のクラシック専門の番組を早朝からBGMのように流していました。多分あまり良いオーディオではなかったと思います。放送なのでこちらが曲を選べずに流れますから、ピアノだけでなく、オペラやオーケストラなど、いろいろなジャンルの音楽が自然と耳に入ってきました。
 
そうするとだんだん耳が肥えてきて、子供ながらに「この演奏はすごいね」というと、ホロビッツやリヒテルの演奏だったりします。本物は子供でも分かるのですね。
 
そして今は、ほとんどyoutubeです。
 
これは有り難いと思います。
音大の視聴覚室にもなかったような名演奏があり、しかも次々と聴くことができる。また、クラシックのCDはどんなに素晴らしい演奏でも、すぐにお蔵入りになってしまうケースが多く、知らない演奏の多いことに驚きます。世界には、巨匠全盛期のライブなど、秘蔵の音源をアップしてくださる方がいて、「こんな演奏もあったのか」と新しい発見をいただいています。
 
コンサート会場だと座る席によって演奏家の手の動きが見られなかったりしますが、youtubeの動画であれば間近に見られて勉強になります。
 
これをThinkPadで聴いているわけですから、高級なオーディオセットに比べて音が良いはずがありません。
 
大事なのは、「何で聴くか」ではなく、「何を聴くか」ではないかと思っています。
 
もし、私が「子供のために高級なオーディオセットを用意したほうがよいですか?」とご質問を受けたらそう答えるようにしています。
 
良くないことかもしれませんが、youtubeを聴くようになって、コンサート会場に足を運ぶ機会が少なくなってしまったような気がしています。
やはり生演奏は別格ですので出かけるようにしたいと思っています。

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