地域に対する誇りが世界へはばたく
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イタリア中部のある田舎。
無人の駅で下車すると、駅前にはカフェが一軒だけ。
そのカフェで目的地までのタクシーをお願いします。
タクシーが来るまでの間、太い腕に、なぜか日本語で「安い」というタトゥーをいれているイタリア人のご主人が淹れてくれる美味しいカプチーノでしばし待つ。
タクシーで40分ほど走ったところにその町はあります。
小高い丘の上に古城が建つ、ワインの町。
到着すると、古きよき時代にタイムスリップしたような錯覚を覚えます。
ホテルは一軒だけ。
チェックインしたあと、すぐにワイナリーへ出かけます。
そこで一番歴史あるワイナリーに行くと、田舎にはめずらしい都会の真中にいそうな若くておしゃれなスタッフが出迎えてくれます。
彼らは、そこの土地のワインを愛していて、真剣なまなざしで説明してくれるのです。
その姿から、この地域とワインに対する誇りすら感じられます。
それは、とてもかっこいいな、と思いました。
この土地ならではの土で育った葡萄から作られるワインは、どれもどっしりと腰が据わり、奥深く芳醇な味わいです。
今では、日本でも知られるようになりました。
ちょうど収穫期の秋に行ったのですが、今でもそこのワインを飲むとその風景そのままを思い出します。
昨日の記事で、北海道、江丹別でブルーチーズを作っている方のお話しを書きました。
つい、このイタリアの片田舎での出来事を思い出してしまったのです。
今後、日本の様々な地域でもこのような光景が増えてくるのではないかと思っています。
音楽の世界でも、日本の地域の言葉を使った音楽がもっと世界で表現されていくといいですね。
その一隅を照らすような仕事ができたらと思っています。
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