部下は共に成長する尊い命を生きる同志
馬場馬術選手の法華津寛(ほけつ ひろし、1941年~)さんは71歳でのロンドンオリンピック出場を決めました。
子供の頃、馬事公苑の近所に住んでいたので、馬場馬術は私にとって身近な存在でもあります。
馬術は、実に微妙な動きで馬に意志を伝える、馬との呼吸が大切な競技です。そのため、馬との関係をどう作るかで演技が決まります。
法華津さんの愛馬ウィスパーは現在15歳で、人間でいうと60歳のベテラン。北京オリンピックのときから共に戦ってきた同志でもあります。
最近、NHK朝のニュースで法華津さんが特集されていました。
ダンディで存在感のある佇まいを感じさせる法華津さん。
「馬と共に成長する秘訣」を語ってくださいました。
「パートナーは、話の出来ない子供みたいなもの。勝手な感情で演技しなかったり間違ったりしたときは怒ります。よく出来たときは褒めてやる。それが積み重なって人の思い通りに馬が動いてくれれば、馬も人間もハッピー。目標に向かって”二人”で進歩しようと努力する関係が面白いですね。」
信頼関係を作っていき、言うことを聞いてくれたとき、お互いがハッピーになる、というのは人間関係と似ているところがあると思いました。
「二人で」というのは素晴らしいですね。
単純に「馬=服従させるもの」ではなく、共に成長する一人の尊い命を生きている者として見ておられる。
競技は「ご同行」なのです。
法華津さんは、もともと株式会社オーソ(現在のオーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社。ジョンソン・エンド・ジョンソンのグループ企業)社長に就任するなど実業家としても活躍なさっていた経歴があり、さすが、マネジメントの真髄をよく分かっていらっしゃるという印象を受けました。
ロンドンでは8月2日から法華津さんとウィスパーの芸術が見られます。
ぜひ北京や世界選手権以上の演技をしていただきたいですね。