ハミングは「フ~ン、フ~ン」と歌っているだけでは自分にしか聴こえない響かない 良いハミングのやり方とは
「ハミング」とは、一般的に、口を閉じながら「フ~ン、フ~ン」と歌うようなイメージではないでしょうか。
ハミングは、人によっていろいろな意見がありますし、やり方も様々です。
簡単なようですが、ちゃんとしたハミングをしようと思ったら本当は難しいのではないかと思います。
間違ったやり方をしていると、音が響かずに何をしているのか聴こえなくなりやすいものです。
今日は、良いハミングの方法をお伝えしたいと思いますので、どうぞ参考にしてみてください。
2012年2月25日合唱団コール・リバティストに東京混声合唱団のバス歌手佐々木先生をお招きしての稽古を行いました。
林光さん編曲の「日本抒情歌集」より「叱られて」の歌い方を教えていただきました。
この中で、ハミングでハモるところがあるのですが、下手なハミングで響きが足りなくなってしまうと、林光独特のこだわりのハーモニーが聴こえてきません。
ハミングの練習方法とコツを皆さんにお伝えいたします。
1、まずハミングではなく、普通に[lu]で歌う。
ポイント:[l]の子音で舌をしっかりと上顎につけること。[u]の母音は、[o]をちょっと前に出した感じで。
2、唇を前に突き出して、唇の上下がくっつくかくっつかないかくらいまで閉めて[lu]で歌う。
ポイント:唇を硬く閉じると[l]のとき舌先を上手く使えなくなります。口の閉め方は力まずに唇がついているかついていないかくらいに。口の中は常に[u]の状態。口の中を閉じないで。
3、2の方法で舌を動かさないで歌う。
4、3の方法で完全に唇を閉じて歌う。
5、4の方法で唇を0.01mmだけ開けて歌う。
ポイント:やわらかく[u]の発音をするつもりで。舌は動かさないでで[lu]というつもりでよい。[lu」と言っているけれども、口は開いておらず舌も動いていない状態。
この1~5の過程で、良い響きのハミングが出来るようになります。
ハミングは完全に口を閉じてしまうと「ん~、ん~」と詰まってきて、キツイ響きになります。
しかも、口を閉めてしまうと、自分の顔の中だけで鳴っていて、外に聴こえないのです。
何かの母音か、何かの言葉を発しているのと同じ状態で、唇だけ軽く閉じているというのよいのです。
[lu]とか[lo]とかだと[l]で舌先をはじくので、口の中の空間を確保しないと歌えないですよね。唇を軽く閉じた状態で]lu]とか[lo]とかいえるくらい開いている方が良い響きが出来ます。
良いハミングの感覚をつかむためにぜひ覚えておいてください。
林光さんの作品は、洗練されたハーモニーが特徴です。特にそのハーモニーを味わえるのがハミングの部分。
技を磨いて、良い響きを作っていきたいですね。