歌手にとっての難曲とは?
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歌手にとって難しい曲ってなんですか?
とよく聞かれます。
いろいろとありますが、その一つがモーツァルトのオペラ「魔笛」の中の、夜の女王のアリアだと思います。
「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」というこのアリア、コロラトゥーラソプラノというソプラノの中でもとくに高い音域の歌手が歌うものです。超高音のコントロールが難しく、歌えるのはソプラノの中でもほんの一部の人たち。訓練を積まないとなかなか歌えるものではありません。生半可な技術で挑戦するとすぐに喉を壊してしまうでしょう。
怒り狂った女王が、「ハイf」と言われる超高音を連発するところが、このアリアの一つの聴きものです。
夜の女王が復讐のため、娘のパミーナに宿敵であるザラストロを殺してくるようにと命じる場面で歌われるアリアです。
ザラストロを殺さないのだったらば、お前は娘ではない、と言い切る激しいもの。
それでは、本日はエッダ・モーザのソプラノで聴いていただきましょう。
出だしから怒りのテンションが尋常ではありません。超高音も普通だと細く軽くなってしまうところが、しっかりした声質で素晴らしくコントロールされていて驚きます。声にカリスマ性があり、まさに「夜の女王」。この時代はスケールの大きい凄い歌手がいたのだなあ、と今更ながら思い知らされます。
0:50と1:09のところに「ハイf」が登場します。
もちろん「ハイf」も素晴らしいのですが2:27からの「聞け!聞け!復讐の神々よ、母の呪いを聞け!」というセリフのなんという凄み。震えあがってしまいました。
それではエッダ・モーザのソプラノで夜の女王のアリア、お楽しみください。
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