わずか10歳 盲目の天才ジャズピアニスト
昨日の朝のNHKニュースで、いきなり力強いジャズの音色が鳴り響き、思わず仕事の手をとめて見入ってしまいました。
ニューヨークにわずか10歳のジャズピアニストがいます。
それも、まったく目が見えないピアニストです。
盲目のジャズピアニストは、レイ・チャールズもよく知られますね。
このマシュー君は、ピアノを始めてわずか2年で人前での演奏会もこなすようになったほどの天才児です。
マシュー君は最初、だれも教えていないのに「きらきら星」を両手で和音を使って弾きました。
ハーレムのNPOが主催する「ハーレム芸術学校」で、マシュー君はその才能をのばしています。
ハーレム芸術学校は、ここ数年財政難で芸術の授業を削減する公立学校が増えている中、貴重なスクールとなっています。
週に一回プロのジャズピアニストの指導を受けているのですが、そのレッスンは「先生の弾いた音を耳で覚えてその場で弾く」というもの。少し音を探れば数分後には弾きこなします。
耳の良さは驚異的で、先生に対しても、「この鍵盤の音がはずれているよ」と教えてあげるほど。
どんな作品でも、その場であっというまに理解してしまうのです。
マシュー君は、
「スタンダードも文化もジャズのすべてが好き。大人になっても続けていくのは難しいかもしれないけど、今一生懸命練習しているから、将来はミュージシャンとして生活したいな」
と話します。
わずか10歳の子が、「ジャズで食っていくのは難しい」ということをすでに理解している。
音楽もさることながら、精神的にもずいぶん大人で驚きました。
日本の作品「ふるさと」をアレンジしたジャズを聴かせてくれましたが、こんなファンキーでごきげんな「ふるさと」は初めて聴きました。
一昨年は、キングズシンガーズ来日のアンコールでも歌われましたし、「ふるさと」も世界的に知られるようになってきたのですね。
目が見えないことで、かえって純粋に音楽が彼の心から湧き出しているのが感じられます。
これからも、音楽以外に様々な体験をして、どんどん音楽を深めてほしいですね。