アナウンサーの声は低くなってきている 説得力のある声を出すために
アメリカなどのニュース番組を見ると、ニュースキャスターの声、特に女性アナウンサーの声はどんどん低くなっている傾向にあります。
日本でも、高い声で明るく話すキャスターより、低い声の方が増えているように感じています。
一般的に、知的な要素と説得力を持って人前で話しをするときには、低い声の方が好まれるとも言われています。
個人で話すときは、少し高めの声の方がチャーミングで好感度も高いように思えますが、プレゼンや講演など、人前で話すときは、音域のモードを変えてみるとよいのではないでしょうか。
しかし、中音域から低音域というのは簡単なようでいて、実は難しい声でもあります。
ただ低い声で話しているだけでは、くぐもって聞き取りにくく、遠くまで響きにくいからです。
オペラ歌手といえば、いかに高い声を出すかということばかりに注目がいきがちですが、実は低い音域を響かせるために、女声のオペラ歌手は大変な苦労をしています。
もちろん、話し声をオペラ歌手のレベルまで追求することはないと思います。しかし響かせ方を少しだけでも意識するほうが、より良い声で内容が伝わりやすいと思います。
声というのは、自分に聴こえている声と、他人が聴こえている声に落差があります。
自分に聴こえてくる声は、骨伝導といって、骨を伝わって聴こえてくる声がミックスされているからですね。
よくないことに、実際に響いている音よりも良く聴こえてしまうことがあるので注意が必要です。
中音から低音とおおまかに言っても、実際はどこからどこまでがその人の音域なのか、というのは個人差があります。
自分で響く場所を見つけられるのが一番よいと思います。
私がいつも気をつけているのは、「響いているか」「低音でも響きが上であるかどうか」ということです。
低音を出すならば響きも低いと思いがちですが、響きまで低くなってしまうと、聴こえてきません。
あくまで、どんな音域でも「響きは上」です。
それでは、私が行っているトレーニング方法をお教えいたします。
1、口を閉じて、小鼻の上辺りを指で軽くおさえ、「m~」とハミングをする。
振動する場所を感じる。(携帯電話のマナーモードのような音がします)
2、手を離してハミングをし、同じように振動する音域を見つける。
3、響く音域を見つけたら、その音で何度かトレーニングし、音域を少しずつ下げたり上げていく。響く音域が広がります。
4、ハミングで響く音域から口をあけて「m~a~」と「a」の母音につなげる。そのとき振動している響きが落ちないようにします。
そこが、低くても上で響く音になっていきます。
何か好きな歌があれば、それをいつもハミングで歌っているのもいいですね。あるときふと響くところが見つかります。