「チーム・アンサンブルのすすめ」 なぜ合唱チームビルディングなのか?
コンサートで素晴らしいオーケストラの演奏を聴き、心から感動し、鼓舞される。もちろん、一流のソリストが一人で演奏する音楽もまた、その方の精神や人生を感じさせてくれる。しかし、たくさんの人が集まり奏でる音楽の豊さ。雄大さ。これはオーケストラでしか味わえない世界なのだ思います。
しかし、ふと考えます。
なぜあのように、たくさんの人たちが演奏しているにも関わらず、ゆっくりしたところから速く細かいところまで、一糸乱れずぴったり合うのか?
バイオリンを見ていると、20人以上の人が弓の上げ下げまで同じになっている。
さらに物理的なことだけではない。音楽の表情や呼吸がぴったりと寄り添い、そしてそこから聴こえてくるのは心を揺さぶる一つの強いメッセージに他ならない。
それが集団音楽の究極の姿であり、さらに私は、そこに人類の持つ可能性を見るのです。芸術とは人類の進化した姿ではないかと思っています。
それならば、オーケストラのような団体が、一般の企業でもできないだろうか?
究極のアンサンブルを体験し、進化した社会的団体。そんな理想的な団体ができないだろうか?
オーケストラは、幼い頃から専門的な教育を施されたいわば選ばれた人たちの集まり。楽器を演奏するということは一朝一夕にできることではありません。
しかし、楽器はできなくとも人は歌うことはできる。
私は、歌こそ、音楽にとって最もエモーショナルな最高の形だと思っています。
歌でオーケストラのような集団を作る。それが合唱です。
私は、企業においてチームがアンサンブルすること。これが今後の仕事に必要なことではないかと思っています。
それでは、なぜ企業にとってチーム・アンサンブル(合唱チームビルディング)が必要なのか。
アンサンブルには3つのポイントがあります。
1、支えあい自立する
合唱はお互いが支えあい寄り添いながら音を紡いでいきます。しかし自分を削って人とあわせるのではなく、自立した自然な自分のまま集団に溶けていたい。逆に一人のスーパーマンがいてその人だけが目立ってしまっても良いアンサンブルとはいえないのです。
2、作品を作りあげる
合唱は皆で一つの作品を作り上げます。他の人の声や気持ちを受け入れてアンサンブルするのは簡単なことではありません。作品の感動を完成させて伝えたいという強い思いと執着心が必要です。作り上げた作品は、同じ曲でもメンバーだけの響き。一期一会の響きなのです。その達成感や満足感は他からは決して得ることができないものです。
3、創造性
合唱は、心のアンサンブルだけでは足りない。お互いが影響を与え合い、心を柔軟にし、イマジネーションを高めていきます。これからは感性の時代。思い込みや先入観を捨てて一人一人がアーティストとなるのです。