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ライフワークとしての学びを考えます。

5億年生きられるボタン

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最近ネット上でとても怖い漫画があるというので、見てみました。
 
「五億年ボタン」というある装置のボタンを押すだけで100万円もらえるというアルバイトの話です。
ボタンを押した瞬間に何もない空間に瞬間移動し、そこで5億年生きる。5億年経過するとまたボタンを押した直後の時間と空間に戻り、5億年の記憶は全く消されているというもの。
 
「5億年の経過を記憶していないのなら何もないのと同じ」と思ってボタンを押した直後に装置からいとも簡単に100万円が出てくる。これを見た友人は、自分もとボタンを押してしまうのです。本当に何もない空間で5億年、意識を失うことも死ぬこともできません。しかし、あるとき「宇宙とはなにか」「自分という存在は何か」と問いが始まります。抜いた歯をペンの代わりに真理を追究し始めるのです。そして最後は宇宙を理解し、完全に空間と調和する。
5億年が経過し、元いた場所に戻ると全く記憶がなくなっています。そしてまた簡単に何度もボタンを押してしまう、という話です。
 
漫画なんだから・・・と思って見始めたのですが、見終わっていろいろと考えさせられてしまいました。
 
ワーグナーの「ニーベルングの指輪」にも出てくる不死身の英雄のように、永遠の命は人類の理想の姿のように思えます。
 
しかし、それは生きた地獄のようにも感じられます。
その地獄でこそ永遠の問いを問い続けることができたというのが、その漫画の興味深いところでした。
ただせっかくの悟りや叡智も、5億年たてば記憶をなくしてしまうところが、漫画なのでしょうけれど、なんともぞっとしてしまいますね。
 
さてあなたはそのボタンを押しますか?

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