違うフィールドの中で磨く 伝える力
今やコメディアンの大御所でもあるビートたけしさんや萩本欽一さん、渡辺正行さんらは、修行時代にストリップ劇場で幕間コントをしていたそうです。
お客さんはストリップを見に来ているわけだから、コントなんて興味がない。かなり厳しい環境だと思います。家族や友人、知り合いばかりの前でやっているのとはワケが違います。
「どうやったら聞いてもらえるか?」「どうしたらウケるのか?」「より強く伝えるにはどうしたらいいのか」必死に考える。
そんな中で磨かれた芸は、強烈な切れ味を持つのだと思います。
このような天才たちでも、過酷な状況の中に身を置いている。自分は、まだまだ甘いと思いました。
私は、専門領域と一般の人たちをつなぐ役になりたいと思っています。
そのためには伝えなくてはならない。
専門用語を出来る限り使用しないで、分かりやすい言葉、伝わりやすい言葉で伝えていく。誰もが気づいていない魅力を伝える。そして深いところで共感してもらえるようにする
しかし、いくら「自分が分かりやすい言葉で語った」と思っていても、長年やっている「知の呪縛」はなかなかとけないのです。だからといって質は落としたくない。自分が学んできた智恵をそのまま伝えたい。
それには、伝える力を研ぎ澄ます必要があると思いました。
全く違うフィールドで、しかも、集まる人たちが目的としてない内容を表現する。
ブログを書き始めた理由の一つです。
書いているうちに、私は、ブログだけではなくもっと外に出て音楽の楽しさを伝えたいと考えるようになりました。その思いから、一昨日ある会社の幹部の方とお会いしお話ししました。
「永井さんは親鸞ですね」
その方はそうおっしゃいました。
親鸞は、20年間修行していた比叡山から降りてきて、教えを伝えるために民の中に入っていった人です。
あの親鸞とは。なんと恐れ多いこと。しかし、なぜかその言葉がストンと腹に落ち、思わず泣きそうになってしまう自分がいました。
しかし、まだまだこれからです。伝える力、磨かなくてはならないと思っています。