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日本と欧米のオーケストラの決定的な違いとは

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日本のオーケストラと欧米の一流オーケストラの決定的な違いは何か?
 
2011年2月2日の日経夕刊に、サントリーホール館長であり、国際的に活躍するチェリストの堤剛さんの記事が掲載されていました。
 
日本のオーケストラが欧米と違うというその原因とは、
「室内楽のトレーニングを十分に受けていないことに起因しているのではないか」
 
室内楽とは、2人から10人くらいまでの人数で、アンサンブルをすることを言います。
 
海外では、週末になるとプロもアマも誘い合って弦楽四重奏や五重奏などを演奏するそうです。
そんなに大勢の人が集まらなくても、そこいる楽器が出来る数人で、豊かなハーモニーを楽むことができるのです。
だから室内楽が生活に根付いているのですね。
 
しかし、日本ではオーケストラは知られるようになっていますが、室内楽となるとたくさんの集客は難しく、「日本の弦楽四重奏団で、演奏だけで生活できている人はほとんどいません」
 
そういうこともあって、室内楽をする人が少ないのが現実なのです。
 
「室内楽は演奏するものにとっての基本。お互いの音を聴きあって、音楽の構造を理解するための最高の訓練になる」
 
さらに、日本の若手の演奏家に対して

『自分がうまくなりさえすればいいといった気質を感じる。私としては芸術を幅広く学んでほしいし、音楽でどう人類に貢献するのかといったことまで考えてほしい』
 
と堤さんはおっしゃいます。
 
音をお互いによく聴くこと、そして、さらにお互いに影響を与え合うことで、良いアンサンブルができます。
これは、単に技術がすごいから、とか、才能にあふれているから、だけでは出来ないことです。
 
隣人がいるからこそ、ハーモニーが出来る。
それ気がついたとき、素晴らしい音楽が生まれるのです。
音の世界だけではない、様々な世界に通じることなのだと思っています。

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