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人との結びつきを強めるために

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8月5日、いいじゃんネットさんでの合唱チームビルディングは、私にとって「音楽をやっていて良かった。」と感じることができた日となりました。それは、自分のソロリサイタルが上手くいった、とかそういうレベルではなく、「観客と体験を分かち合えた」。そんな気持ちなのです。
 
27名のオーディエンスのほとんどが「合唱経験のない人たち」。
「初めての曲」「初めてのパート」「初めての音取り」「初めてのハモリ」・・・何から何までが初めてなのです。しかも「音楽の授業で合唱をしたことあるけれど、つまらない思い出しかない」「合唱なんて必要ないと思う」「音痴だし音楽はあまり好きではない」という方々は必ずいらっしゃいます。
 
毎週稽古をするなら、少しずつ伝えていくという方法もありますが、合唱チームビルディングの場合一回で伝えなくてはならないことが難しいと思いました。
そういう状況で、どうやって音楽の楽しさを合唱で伝えていくか。
 
私は、出来る限りスピーディに観客との結びつきを強めることが一番大事だと思いました。
 
そのためにはまず、自分が信頼できる人だということを分かってもらえることが必要です。「私はこういう人ですよ」ということを分かってもらうのです。
視覚的に頭のてっぺんから足の先まで全身が見えるように、演台など視覚の邪魔になるものはすべて取り払います。演台より前に出ることで、全身からより強いメッセージが伝わるのです。
 
観客が一番気にかけていることは「自分が何を体験できるか」です。
だから出来るだけすぐ「体験」に入ります。
 
そのとき、あまりに難しいことをさせて失敗してしまったりしては思考がストップしてしまいその後が続きません
すぐに誰にでもできる失敗のない方法で体験してもらう。
 
私の場合は、よくある難しい発声法は一切せずに、わざとキレイに作っていない本来持っている「本当の声」を思い切り出してもらう方法でパート分けをしていきます。
そのために、恥をかくことを恐れずに自分から声を出していきます。
 
私は、合唱チームビルディングに入る前、「いっそのことその場から消えてしまいたい」と思うほどの状態になります。しかし心が折れそうになりながらも必死で念じます「みんなが大好きだ」。
そうすると、人前に出た瞬間、ふしぎなのですが本当に家族のように感じてしまうのです。自分が愛情いっぱいに思っていることは、必ず伝わります。

初めてお会いする人でも、あと一歩近づく。そのために短い時間でもほんの一瞬でもいいので一人ずつと会話をするようにしています。だから、声を聴かせてもらってパート分けをするのはとても大事な時間です。
 
恥ずかしいという気持ちを捨てて、まずは自分を思い切ってさらけだすこと、そして、もう一歩距離を縮める。そうすると観客も自分をだしてくれるのです。
 
私は、巻き込もうと思ったことは一度もありません。
「どうやったら結びつきを強くできるか?」
「どうやったらメッセージがより伝わるか?」
「どうやったら観客が音楽の楽しさを味わえるか?」
 
そればかり考えています。

一回限り、一期一会の合唱チームビルディング。与えられた短い時間の中でいかに結びつきを強めてメッセージを使えるか、が良いプレゼンへの道だと思っています。

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