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大作曲家が出現しやすくなるかもしれないその理由

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モーツァルトは、イタリアのシスティーナ教会礼拝堂で、門外不出の秘曲、グレゴリオ・アレグリの「ミゼレーレ」(9声部)を一度聴いただけで暗譜してしまい、すぐさま書き記したといわれています。
 
この人間業とは思えない才能は、モーツァルトの異常な天才性をよく物語っています。
彼は作曲するときも下書きをほとんどしなかったそうで、あらかじめ頭の中に完璧な音楽が構築されて、それをただ譜面に書き写すだけだったのだと思われます。
これは、相当な特殊能力だったのではないでしょうか。
 
(書き直しはないかわりに、クライアントの演奏家をからかったりする下品な落書きだけはあるのですが・・・。)
 
ベートーヴェンの手書きの譜面は、下書きや書き直しが多く、格闘しているのが生々しく伝わってくるようです。
怒りにまかせて消しているところもあり、そういう箇所は激しく力を込めたようで紙がボロボロになっています。
他の作曲家も、モーツァルトほど綺麗なことは殆どありません。才能があっても下書きは必要だったと思います。
 
 
今、私が文章を書くときに「秀丸」というソフトを使用しています。とても優秀で、快適に使えるので書くストレスがほとんどありません。
 
間違えたらすぐに消すこともできるし、さらに良いのは、構成が良くないと思ったら、コピーして前後を変えたり、全体を大幅に変更することが即座に出来ることです。
これはすごく大事なことで、要は下書きなしで書き始められ、頭の中で大まかな構成ができていれば、思うままに筆を進めることができるので、素人でも文章が書きやすいということですね。
 
自分が毎日文章を書くようになって、昔の文豪はさぞかし大変だったのではないかと思うようになりました。
書き進めていくうちに、もし構成を変えたくなった場合を考えると気が遠くなります。
 
ほぼ頭の中に完成品の文章が出来上がっていて、それを紙に書いていく作業をするというのは、これまた特殊な才能を必要とする職業なのではないかと想像します。
現代の作家と比べると、一作品書き上げるのにかなり時間がかかったのではないでしょうか。熱海の旅館に籠もりたくなる気持ちもわかります。
 
近頃は、作曲のためのソフトもあるので、昔の作曲家よりは譜面にする時間がかなり短縮されているのではないかと思います。
 
今後もしかしたら、普通の人の中から大作曲家が誕生してくれるようになるかもしれません。

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