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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

書籍「間違いだらけの設計レビュー ~ なぜ重大な問題を見逃すのか」

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今年9月にドキュメントレビューの詳細な手順とマインドを記載した書籍「間違いだらけの設計レビュー」を上梓しました。amazonでの1時間おきのランキングを1日1回送信してくれるサービスを使ってみているとこの1ヶ月半くらいは200~1500位の間を行き来しているようで、好評いただいているのではないかと思います。

内容はレビューの課題に関する約700件のアンケート、検出された欠陥、実験データ、レビュー会議の様子を録画したビデオ等、研究を進める上で分析した内容と私のエンジニア時代に感じていたことをもとに、お勧めの手順、気をつけるべき点を読みやすく書いています。手順の中には試行を通じてその効果を確かめたものも含まれます。初心者~中堅を想定して書いていますが、ベテラン向けの注意点もいくつか書いています。ぜひ、書店でお手にとってみてください。

目次はこちら(http://coin.nikkeibp.co.jp/coin/itpro-s/book/dtl/nos049.html)にあります。内容は、まず、典型的なレビューのアンチパターンを紹介し、そうならないための施策を対応づけて紹介しています。次に、欠陥検出のための事前準備とマインド、欠陥指摘の事前準備とマインドを紹介しています。改善や効率化に向けた施策にも触れています。

レビューではどのような欠陥を指摘すべきか、何を完了条件とすべきか、という点が頻繁に課題として挙げられますが、本書はそれに対して一つの回答を提示しています。レビューで検出すべき欠陥は見逃すと対応コストが大きくなるものとし、その欠陥種別を最初に定義し、検出方法としてシナリオ(検出シナリオ)を検討します。レビュー会議に先立ってシナリオに沿って欠陥を検出しておき、レビュー会議ではその網羅性を確認します。シナリオに沿って網羅的に欠陥を検出できたと他のレビューアも合意すればそれで完了というものです。

本ブログをご覧になっている方はベテランの方が多い感触があります。ベテランの方は、よい書籍と判断いただければ若手、中堅の方に勧めていただければと思います。「まずはこれ読んどいて」という形でも使っていただけるような内容にしたつもりです。

@ITでの情シスの本棚「設計レビューに私情を持ち込んでいませんか?」で紹介いただいています。また、日経ITproの新刊・近刊でも紹介いただいています。

また、本書を踏まえたセミナーを11/20に大阪グランフロントで、11/25に東京JA共済ビル(永田町)で予定しています。演習が含まれるので、実際に体験していただける内容になっています。詳細はこちらから。

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