森崎修司の「どうやってはかるの?」:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 森崎修司の「どうやってはかるの?」

計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

Journal of Software Maintenance and Evolutionに掲載のReducing the risk of requirements volatility: findings from an empirical surveyで、300名の実務者にアンケートを実施した調査結果を報告している。CMMIとPMのソフトウェア開発を対象にしている人へアンケートの回答を呼びかけて回収したものだそうだ。

調査項目は多岐にわたる。詳細は論文を参照いただくとして、私が気になった部分は以下のとおり。

  • 要求の規模が増えた経験をもつアンケート回答者は78%
  • 要求がブレるのを防ぐ技法は「既存の要件定義書を再利用する」「業務の対象など、要件定義書を書く技術者が実際の活動を観察する(エスノグラフィー)」「プロトタイピング」だった。(統計的有意さがあるもののみ)
  • アンケート、ヒアリング(インタビュー)では要求のブレを低減できない。(統計的有意さによる判断)
  • CMMIのプロセス成熟度レベルが大きくなれば、アンケートで回答された要求のブレの大きさが減る。ただし、レベル3と4の間には大きな差はない結果

これは、ユーザ本人に聞くのではなく、過去の蓄積やプロトタイピング等、具体的な形をとったり、ユーザと同じ環境に身をおく、ということのほうが、要求のブレを減らすことにつながっている、と解釈できないだろうか。

一般にアンケートの結果は多数派に目が向くが、多数派のやり方を取り込んだからといって、ご自身の組織やプロジェクトの要求のブレが減るとは限らない。ご自身のプロジェクト等で、要求がブレないようにするためには、何をするのが最善だろうか?

森崎

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森崎修司

ソフトウェア開発に携わる方に気づきを提供することを目指し、ソフトウェア開発の定量化/効率化/高品質化の動向を国内・海外、実務・研究から多面的に紹介し、研究者の視点、自身の業務経験をふまえた視点から考察します。現在、静岡大学 助教

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