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「Google Readerをスピードアップさせるにはオフラインにする」をきっかけにAPIのユーザビリティを考える

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Gearsをインストールして英語版(英語版というところが大事)のGoogle Readerで画面右上の緑のアイコンをクリックする。すると2000件を上限にローカルキャッシュにフィードの内容をダウンロードしてくれる。フィードの先まではダウンロードしてくれないが、フィードのチェックをするという目的で使えると思う。

フィードをいったんローカルキャッシュにダウンロードするので閲覧速度が速くなる。私の場合フィードは自宅で深夜にチェックするか、自席で昼食をとるときにチェックすることが多い。大学のネットワークがかなり速いので、困ってはいないのだが、ローカルキャッシュにあるほうがやはり速い。自宅だとキャッシュの威力を感じることが多い。

ローカルキャッシュの仕組みは、Gears APIが提供しているそうだ。ローカルにデータベースを持たせたりするなど、オンラインでないときでもWebを通じて提供されるサービス(の一部)を利用できるようGears APIは作られている。また、ファイルの一括アップロード等、Webクライアントアプリケーションを作る上で「これなんとかならないかな」という部分を補助してくれるAPIだと思う。巨大なAPI群を用意して、何でもかんでもこれを使えというものでもないようで、ユーザビリティの高いAPIであるように思う。これから使おうとする開発者にとっても敷居が低いだろう。

友人に「そんなことできるの?」と聞かれ、ふとGearsのことを思い出し、Gears APIを覗いてみた。インストール当時はあまり感じなかったが、コンパクトでうまくまとまっているように思った。

APIのユーザビリティも研究レベルで少しずつ言及されるようになってきたようで、より使いやすいAPIが出てくれば、開発のスピードアップにつながる可能性が高い。何でもかんでもできるとか、とにかく数をたくさん揃えたAPIは頼りになるのだが、敷居が高いのが現実だろう。そのあたりのガイドラインや評価尺度が出てくるとまた違ってくるのではないかと思う。

http://sites.google.com/site/apiusability/publications にはAPIユーザビリティに関する既発表の文献リストがある。興味のある方はぜひ。

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