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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

三菱東京UFJのシステム統合完了の話題は少ないようだが。。

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日経ITproでいくつか記事になっている(こことかここ)が、もう少し取り上げられてもよいように思う。どの部分が特に成功し、それはなぜだったかという話も含め、今後もっと取り上げてほしい。まずは、成功を褒めるところからだがそれに続いてプロジェクトで実施、検討した方法の効果と限界について業界で共有できるような形で公開していただけないものかと思っている。その情報は、存在自体が強い刺激にもなるし、他のプロジェクトでも効果がでれば大きな発展につながるだろう。

たとえば、ITmediaエグゼクティブの2008年2月時点の記事には三菱東京UFJ銀行執行役員システム部長の根本武彦氏が「不良摘出件数が少ないものは、本当に品質が良いのかどうかは分からないので、追加テストなどで徹底的に不良を見つけ出した」と仰っている内容が掲載されている。日経ITProでも「世界最大のプロジェクトをこう見積った」というタイトルでJALとJASの情報システムの統合の際に使った方法が記事にされている(本ブログの過去のエントリでもふれた)。

プロジェクト完了直後には様々な事情(積み残し項目や、はじめての期末など)があると思うが、2, 3年後にはぜひオープンにできる部分を選んだ上で事例として記事なりにしていただきたいと思う。「ビジネスの根幹だからそう簡単には公開できない」という声もあるとは思うのだが、本当に全部が全部公開すれば競争有意性を下げてしまうのだろうか。また、公開することによるブランディング効果、存在感の強化も無視できないので、そこにも目を向けていただきたい(トヨタの55点ルールがプレゼンスを増すということについてここに書いた)。

新年早々、鼻息の荒いエントリで恥ずかしいのだが、成功事例の公開は業界の発展につながるし、そのきっかけを作った自負がより高いレベルの仕事につながっていくように思う。

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