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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

『部下と上司とのギャップを埋める感情の「見える化」』 - 計測の一事例として

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表題はオムロンソフトウェア社長竹林氏が執筆された記事のタイトル。プロジェクトマネジメントマガジンNo.8 p. 48~53に掲載されている。PM Conference2008でも話をされていて拝聴した。比較的簡単な仕組みで「やる気」を計測し、コミュニケーションを具体化する手法が述べられている。モチベーションカーブやモチベーション曲線として知られる方法だが、主観が含まれる計測という点でソフトウェアの計測と似ている部分もあるので、エントリにした。

竹林氏は記事、講演ともに「部下と上司の間にギャップがあるものだという意識、そして、それを埋めていこうとする意欲こそが現場を変えていく原動力だと信じている」と述べられている。記事はそれを具体化した1つの方法だそうだ。

具体的な方法は記事を参照いただくとして、私がおもしろいと思うのは、「やる気」を主観的にグラフ化し、それを共有する点にあるように思う。その主観的な値をコミュニケーションの道具として使い、モチベーションに影響を与える要因を大まかに把握する。

ソフトウェア開発における計測でも、実績の工数、不具合数といった若干主観的、手動収集の値が含まれることがある(工数は大きくはずれることはないが、主観に依存する部分がある。不具合の数も大きくはずれることはないが、数え方次第では増減してしまう)。このような計測値はやはりコミュニケーションの道具として使うこと、大まかな傾向を取り出すことを前提とすべきと思っている。微小な違いをみることよりも大まかな傾向や要因の把握のほうが得られることが多いように思う。

ここを読まれている方のお手元にはどのような計測データがあり、それをどのように使っているだろうか。

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