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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

計測のためのプロセスとツールと運用

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ツール導入の方法や効果というトピックをここ2, 3ヶ月でよく聞く。ツールの導入の経験はいくつかさせていただいているので、その難しさについては理解しているつもりである。特に、開発と密接に連携するようなツールには利用コストの問題や好みがあったりして、なかなか一筋縄ではいかない。ツールの学習にも時間が取られたり、ツール自体の品質評価をしないと現実問題として使えないということになる場合も多いので、ツール単体で考えてもうまくいかない原因は枚挙に暇がない。

意思決定のしくみ(たとえば透明性のある意思決定)を実現するためにデータを計測し、計測のプロセスやツールを選定するというのが比較的きれいに決まるパターンなのだが、必ずしもそう簡単にはいかず、「おもしろいツールをみつけたので使ってみたい」→ 実際に使ってみて「たしかに使えそう」「でもどうやって?」という議論になるのはどなたも経験されたことがあるのではないだろうか。

ツールの話やおもしろい手法を聞いたときには、それはプロセスを必要とするものか、プロセスを必要とするならば、どのような部分に組み込んでいって出力や得られる結果をどう解釈するか、どういう意思決定をするか、ということが気になる。自身のツールや手法でまだまだこなれていないものについては、どういうところで使えるか、どういうプロセスに組み込んでいくかについて、旺盛なアドバイスやコメントをくださる方には積極的に話をするようにしている。そういうのを一緒に考えてくださる方はさがせば多くいらっしゃるし、アドバイス、コメントをくださる方の得意分野になるべく沿うような話をぶつけられるよう配慮している(つもりだ)。

たとえば、要件管理ツール、進捗管理ツール、課題管理ツール、静的解析ツールを新たに導入するとして、どのようにプロセスに組み込んで、それらのツールの出力をどのように使われるだろうか?得られる結果はツールを使うにあたって最も負荷のかかる人のために(間接的、直接的に関わらず)なっているだろうか。もしくは負荷が小さくて考慮する必要のないレベルになっているだろうか。ツールの運用方法はある程度手順化されているだろうか。このあたりがうまく考えられていることが計測のためのプロセスとツールがうまく機能するポイントではないかと思っている。

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