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「google.com」ドメインは一時的に取得されたのか

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CNetが「「google.com」ドメインを一時的に取得、報告した男性への報償額が明らかに」という記事で、Google が「ドメイン「Google.com」の所有権を一時的に失い、取り戻す事件があった」と報じています。記事には次のように書かれています。

今回は、Googleがgoogle.comの更新期限を見落とし、第三者が取得できる状態になっていたようだ。GoogleとVed氏は双方とも、このドメイン名がなぜ入手可能な状態になったのか具体的には明らかにしていない。

でも、これはおかしな話です。たしかに、かつては使用中のドメインが失効して第三者に取得されるといったトラブルが散発していました。しかし、2003年に、.com のような gTLD ドメインについては、ドメインが期限切れしてもレジストリ*レベルで削除までに猶予期間を設ける仕組みが導入されています。たとえ Google が更新期限を見落としていたとしても、第三者が取得するまでには最低でも30日(猶予期間)+5日間(削除準備期間)という時間がかかります。記事に書かれているような「失効してすぐに再登録すること」はできません。
*トップレベルドメインを管理する業者。.com の場合は VeriSign。

そもそも、Google はどれくらいドメインを失効させたのでしょうか。ドメインの所有者情報は whois というデータベースで調べることができますが、DOMAINTOOLS というサイトでは、過去の whois を検索することもできます*。Sanmay Ved氏が"購入した"という昨年9月29日より少し前の9月15日の whois は次のようになっています。
*誰かが検索したものを保存しているだけなので、すべてではありません。有償サービスです。

Domain Name: google.com
Registry Domain ID: 2138514_DOMAIN_COM-VRSN
Registrar WHOIS Server: whois.markmonitor.com
Registrar URL: http://www.markmonitor.com
Updated Date: 2015-06-12T10:38:52-0700
Creation Date: 1997-09-15T00:00:00-0700
Registrar Registration Expiration Date: 2020-09-13T21:00:00-0700
Registrar: MarkMonitor, Inc.
Registrar IANA ID: 292
......

ご覧のとおり、期限は 2020年になっていて、まったく失効した気配はありません。つまり「第三者が取得できる状態」になどなっていないのです。では、いったい何が起きていたのでしょうか。Ved氏のブログに「Ved氏の手元で起きたこと」が詳細に書かれています。

要約すると「Google Domains で google.com という名前で検索してみたところ、google.com が登録可能になっていた。そのまま、登録を進めたら登録が完了し、登録費$12がクレジットカードに課金された。コントロールパネルにもドメインが表示された。でも、後からキャンセルの通知があって、払い戻しされた」というところです。

ここから推察できるのは、「Google Domains で障害が発生して google.com が登録できたように見えた」ということだけです。つまり、たんなるレジストラ*のトラブルが、たまたま google.com というドメインで発生しただけのようです。こんなことで6千ドルずつ払っていたら、Google Domains で google.com の登録を試みる人が続出しないか心配になってしまいますね。
*ドメイン登録業者。今回は Google Domains。

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