Delphi Advent Calendar(9日目)「Delphi 2.0 Q&A 120選」
■はじめに
「Delphi Advent Calendar 2014」の微妙にあいていたので:-)、2年ぶりに参加してみることにしました(複数寄稿する人、お疲れ様です)。ちなみに、今年は C++Builder はないんですね(他人ごと)。
実は、旧ボーランド(現エンバカデロ・テクノロジーズ)を"卒業"して10年以上経った今年、はじめて Delphi の仕事をしました。(マイクロソフト勤務時代は当然ですが)フリーとなってからは、C++Builder のセミナーを引き受けた以外、ほとんどボーランド製品に関わることはなかったのですが、たまたま「どうしても急ぎで」という案件に呼び出されて、Delphi を本格的に使いました。10年ぶりの感想としては「変わってねぇな」
必ずしも良い意味ばかりではないのですが、ビジュアルな操作も、ソースコードエディタも割と昔通りの印象でした。実のところ、忘れていた機能も多かったですし、使い込む感覚は別のものでしょうが、「ちょっとは Visual Studio を見習えよ」と思います。でも、見習わなくていいです。仕事ではありませんが、Android の開発も少し試して、Kylix とは違うマルチプラットフォーム対応というものを体験できましたし、これはもう別の道を進んでいるのだなと感じられます。いや、Visual Studio が Xamarin どころか、自ら iOS/Android 開発のサポートを表明する今日ですから、まったく別の道というわけでもないのでしょうが、ビジュアル開発とネイティブコードコンパイラの統合という独自性に活路を見出していることは疑いようもありません。それに、その仕事は FireMonkey なども必要としないものだったので「変わっていないこと」自体は、かえって助かりました。
■Delphi Q&A本
前置きが長くなりましたが、Delphi に関するめぼしい話は一昨年書いてしまい、新しい技術については何か書くほどの知見もありませんので、小話として、昔書いたDelphiのQ&A本を取り上げます。もっとも、これも一昨年のブログの最後で紹介しているのですが、そのときは古本にプレミアムな価格が付いていた本書も1円コースに落ち着いているようです。
もともとこの業界に入った時にテクニカルサポートを担当していたこと、Delphi を発売した後の問い合わせでサポート部門を離れてからも、よくユーザーへの対応はしていたのですが、たんに「できる」「できない」だけじゃない情報をまとめようということで企画したものです。Delphi は前評判もよく、おかげで入門書はボーランドの開発ツールの中でもかなり充実していたのですが、今なら検索すれば見つかるようなこういう開発トピックも、まとまった情報としてはありませんでした。自分で言うのも何ですが、そこそこ評判は良かったようです。
ちなみに、本書はDelphi 1.0から3までのバージョンアップに合わせて出版したのですが、それぞれバージョンアップに合わせて改訂しただけだったので(※)、「なんで第2版という形にしなかったのですか?」と言われてハッとした覚えがあります^_^;
※バージョン3のときは、情報を増やしました。
■「Delphi 2.0 Q&A 120選」
一昨年のブログで紹介した通り、本書の最終版(「Delphi 3 Q&A 150選」)は scan.jp で公開済ですが、今回はこの前のバージョン「Delphi 2.0 Q&A 120選」を公開することにします。技術的にはほとんど意味はないのですが、「Delphi 1.0 Q&A 120選」と「Delphi 2.0 Q&A 120選」にあって、「Delphi 3 Q&A 150選」にないものがあります。イラストです。
正直なところ、(いまはなき)当時のビレッジセンター出版局は大きくなく、書籍としてのレイアウトも素人っぽい感じです。その殺伐としたレイアウトに少し「色」をつけてみようと、少ない個所ですが絵心のある妻に頼んでイラストを描いてもらったのです。まあ、それだけです。技術トピックを期待していた皆さん、すみません。また、明日以降の皆さんのエントリにご期待ください。
(追記)もうひとつ、この「バージョン2.0」は、書籍に添付のフロッピーディスクに書籍の内容がそっくり電子形式(Windows Help形式)で収録されていました(バージョン1.0は、サンプルプログラムのみを収録)。ヘルプで検索できる方が便利だろうと思ったからですが、ファイルだけコピーされてしまうということは(そういう話は出ましたが)当時はあまり考えていませんでした。今は、紙の本を買うと電子書籍が付いてきたり、割安で入手するというサービスもあるようですが、当時はそういう形態は珍しかったと思います。