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失効ドメインのバックオーダー

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ドメインはいつ削除されるのか(gTLDの場合)」「ドメインはいつ削除されるのか(汎用JPの場合)」では、失効したドメインが削除されるまでのステップを紹介しました。しかし、人気の高いドメインの場合は、誰か他の人も再登録したいと思っているかもしれません。そのようなドメインを再登録するための専門の業者も存在します。このようなサービスを「バックオーダー」(あるいは「ドロップキャッチ」)と呼びます。

Comics23_lo■バックオーダーの仕組み

現在、ドメインが削除される日時は、ほぼ正確に予想できます。したがって、その瞬間を狙って、誰よりもすばやく登録することが必要です。これを機械的に行うサービスを提供しているのがバックオーダー業者です。

以前は、バックオーダーを早い者勝ちで受け付ける業者、優先権を決めるために削除予定日前のオークションを実施する業者がいましたが、今は希望するドメインを事前に申し込んでおき、ドメインが削除される前後にオークションで希望価格を募り、再登録成功後に締め切る形式が一般的です。

バックオーダー(入荷待ち)といっても、失効したものが必ず再登録できるとは限りません。複数の業者があり、それぞれの間で競合することがあるためです。業者によっては特定のレジストラと契約し、そのレジストラで失効するドメインを常に再登録できる場合があります。これは、バックオーダーの依頼のあったドメインについて失効させてレジストリで削除させることなく、そのレジストラが期限を延長した上で名義変更する形を取ります(※)。いったん期限切れになっても削除される前に所有者が更新すれば、再登録はできません。
※削除猶予期間(Redemption Period)に入った後で、バックオーダーが依頼された場合は、このような対応はありません。また、汎用JPについては、このような契約ベースで再登録する業者はありません。

■バックオーダー業者(gTLD)

gTLDドメインのバックオーダーを受け付けている主要なサービスを以下に挙げておきます(すべて英語)。

SnapNames($69~)
2000年頃からドメインのバックオーダーサービスを提供している老舗です。当初は定額制(早いもの勝ち)で受け付けていましたが、現在ではオークション制を取り入れています。Registerなどのレジストラと契約しています。

Pool($60~)
2004年に登場し、はじめて登録成功後のオークション制を導入した業者です。それまでは、バックオーダーに申し込んでも獲得できる保証はありませんでしたが、このサービスでは獲得成功後のオークションに最高値を付けることで必ず獲得できることから注目され、成功率の高さもあって人気を博しました。SnapNamesなどが個々の大手レジストラとの専属契約を結ぶようになってからは良質のドメインの獲得が難しくなっています。

NameJet($59~)
2007年に登場した後発の業者ですが、eNomやNetwork Solutionsという大手レジストラと契約しているため、確実にバックオーダーできるドメインが比較的多いのが特徴です。

この他、Go Daddyのようにレジストラのサービスとして安価なバックオーダーサービスを提供している場合もあります。ただし、そうした業者では競争が生じるようなドメインを再登録できるチャンスはほとんどありません。

どのサービスも入札するための最低金額は設定されていますが、実際に獲得に成功しなければ支払いの必要が生じることはありません。その性質上、バックオーダーに成功するのは1社のみなので、複数の業者に登録しておいても問題はありません。ただし、良質のドメインについてはバックオーダー業者以外のドメイン業者との獲得競争になることもあり、すべての業者に依頼した場合でも成功するとは限りません。

■バックオーダー業者(汎用JP)

汎用JPドメインのバックオーダーを受け付けている主要なサービスには、以下があります。

お名前ドットコム(5,800円~)
老舗のレジストラです。ドメインを検索すると、そのドメインが登録済の場合でも、失効したことを知らせるメールサービスと、失効したドメインについてのバックオーダーを受け付けています。

ラット(6,000円~)
「ドメイン事前予約」という呼称で、バックオーダーサービスを受け付けています。

汎用JPについては、いずれの業者も、バックオーダーを申し込めるのは失効したドメインのみです。同じドメインに対して複数の申し込みがあった場合には、登録成功後にオークションが開催されます。

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