【妄想記事】新登場!!「リッピングの森」――CDレンタルよりも安価なサービス、レコード会社からは懸念の声も
※このエントリはフィクションです。本記事に登場する会社名および架空のサービスは、現実の会社などとは一切関係ありません。
秋葉原で裁断書籍のスキャンサービスを提供する「自炊の森」(東京都千代田区)は1月5日、来月から CD リッピングサービス「リッピングの森」の営業を開始すると発表した。
「リッピングの森」は、店内に大量のCDを在庫しておき、利用者が持ち込んだノートパソコンで自由にリッピングできるサービスだ。
利用料金は時間制で最初の30分までが300円、さらに15分延長するごとに150円の追加料金がかかる。CD の貸し出しは受付で対応し、同時に10枚まで借りられる。リッピングのためにノートパソコンは利用者が持ち込むため、リッピングに要する時間はまちまちだが、現在使われているパソコンなら30分以内にリッピングできるとのことだ。なお、時間内に返却すれば再度別のCDを借りられるが、時間内に返却する必要があり、時間を超過した場合には追加料金を支払うことになる。
同社では、著作権について「自炊の森と同じで、ここで行われていることはあくまで利用者の私的複製です。著作権法上の問題はまったくありません。書籍の場合には公衆用自動複製装置の使用が附則で認められているのに対し、音楽では認められいません。このため、リッピングの森ではノートパソコンを持ち込んでもらいます。」と語っている。ただし、店内には電源タップが用意されていない。これは「電源を供給することで“複製機器を管理している”とみなされないようにするため」とのことだ。複製装置を管理しなければカラオケ法理が適用されることもなく「完全に合法なサービス」(同社)となる。
なお、リッピングの際に CDDB を利用するための無線LANは利用できる。「無線LANは複製機能とは無関係」というのが同社の見解だ。利用料金はネットカフェと同程度だが、「リッピングするための机以外に設備はないので、ネットカフェが目的なら専門の店の方がよい」(同社)だろう。なお、CDDB の情報が間違っているとリッピングの際に楽曲情報を修正しなければならず、思わぬ時間がかかってしまうおそれもある。「あくまで時間制なので、リッピング方式は利用者まかせです。効率よくリッピングしてください」とのことだ。
なお、日本レコード協会に同サービスについて伝えたところ、「CDレンタルのようにレンタルに対するライセンスを支払うのでないなら法的な懸念があり、対応を検討する」とのコメントが得られた。これに対し、リッピングの森は「日本のレンタル業は、あくまで店外に貸し出すサービスです。店内で使う分にレンタルの規制は受けません。洋楽CDも1年の猶予期間を待たずに利用できます。Lady Gaga の最新CDも揃えておきますよ」と強気だ。
同サービスでは「週間ランキング・トップ10セット」「年代別洋楽セット」など、人気のセットを用意することで利用者ニーズを発掘していくとのことである。30分立ち寄るだけでヒットアルバムをコンプリートできるとなれば、利用者にとって大きな魅力となるだろう。同社は「iTunes Match が日本で始まれば、いっさい複製せずに利用できる“マッチングの森”というサービスも考えています」と今後の展開にも意欲的だ。