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被災地支援0日目 あるいは素人に何ができるか?

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★とりあえず、GWは南三陸町に行くことにした
前回、うちの会社の社員にボランティア・コーディネーターとして活躍してもらっている話を書いた。あの後、NHKの朝の番組に彼が出演してかっこよくインタビューに答えたりして、送り出している僕らとしても誇らしかった。狙い通りES(従業員満足度)ちょいアップ?

で、僕自身もゴールデンウィークは彼の所に行くことにした。同僚と2人で。
「支援のど素人が行って、役に立つのか?」
「10日足らずで貢献できるか?」
という懸念があったけど、彼に相談したら「10日いてくれたら、お願いできることはたくさんある。特に短期滞在では難しい避難所ケアを中心に」と言ってくれたから踏ん切りがついた。

★仕事のアレンジは任せて、できることは何でもやる
普段、僕のように100%ビジネスの世界に身を置いていると、ボランティアやNPOって難しいな、と思う。組織として成果を出さなければならないのはもちろん同じだけど、それを「雇用-被雇用」「購入-売却」というお金の関係なしにやるのは厳しいハードルに思える。指揮命令系統が柔らかいというか。

通信環境も余り良くないから、今は何をやるのかほとんど聞いていないけれど、今回に限っては、その点はあまり心配していない。信頼できる同僚(当然僕にできること、できないことを分かっている)がコーディネートしてくれるので、与えられた持ち場で頑張る、というシンプルな話だ。
自分に与えらえた仕事に対して成果を出す前に文句を言うのは、ビジネスでも非営利でもNGなのは変わりないだろう。

★考えようと思っていること
せっかく現場に行くので、頑張りながら考えてみたいこともある。

1)滞在期間別の貢献の仕方
同じ被災地支援といっても、滞在が1日か10日か1ヶ月かで、できることはかなり違ってくるだろう。例えば、周りの人と信頼関係を築かないとできないような貢献は、どうしても長期滞在じゃないとやりにくい。
今回は特に、僕と同じくらいの10日程度の滞在でできることをクリアにしたい。10日でも充分貢献できるなら、サラリーマンが思いきってお休みをもらって行ってくるとか、夏休みをそれにあてるとか、色々応用が利くはずだ。

2)ファシリテーションに何ができるか
前回も書いたけれど、人と人をつないで物事を促進させるための武器であるファシリテーションは、きっと復興に役に立つと思っている。まだぼんやりしているけれど。
そのヒントは長期で行っている人たちのコーディネート振りを見ていてクリアになるのかもしれないし、自分でチャレンジして初めて分かるのかもしれない。
「ファシリテーションでござい!」と押し売りしてもしょうがないので、さりげないファシリテーションマインドを役に立てたり、小さな「ニーズの見える化テクニック」を使うところから始めるのかな、と予想している。行ってみないとなんとも言えないけれど。

★自分のためでもある
前にも書いたように、ボランティアであっても、ギブ&テイクが成り立った方がいいと思っている。少なくとも、もし僕が被災者なら一方的にお世話になるよりは、ボランティアで来てくれている人から「自分のためでもあるんです」と言われたら嬉しい。

誤解を恐れずに言うと、今回の場合は「自分がよりタフになること」を求めて行く。「タフ」というのは、普段と違う状況、困難な状況であっても、自分が持っている力をフルに発揮できること。
困難な状況でも、周りの人の役に立てる自分か。困難な状況にある人とも共感をはぐくめるか。困難な状況で平常心を保てるか。みな、タフにならないとできないことだし、たった10日だとしても貢献を求められる以上、必要なタフさだろう。

★今は準備してます。
今はもちろん普通に仕事をしているので、夜の時間を使って持ち物リストを作ったりしている。参考までに、僕らが用意しているもの。

1)食料や寝具
自分自身がお荷物になってはどうしようもないから、食料や寝具などは自分で全て持っていく。自己完結。昔キャンプで使っていた寝袋を引っ張り出してきたり。特に服装などは、Webサイトに情報がたくさん載っている。こういう意味では非常に良い時代になりましたね。

2)野菜
Webサイトやツイッターを見ると、食べ物が全くない、という状態はほぼ脱したようだ。代わりに、生鮮食料品が不足している模様。レトルトだけだと元気でないしね。トラックじゃないから限度はあるけど、野菜をなるべく積んでいく。
※追記:まだまだカロリー絶対量的にも栄養状態が悪い、という記事も見かけます。実態はつかみにくいですね。まだら状態なのでしょうし。

3)子供向けのグッズ
大人ももちろんだが、避難している子供達もツライだろう。サッカーボールやオセロなど、楽しめるものを。
そして、マンガや絵本。僕は「良質な物語は傷ついた人を治癒する」と深く信じている。少しでも救いになれば。

4)ファシリテーション・ツール
フリップチャート(模造紙)やペン、付箋などを会社から拝借して持っていく。避難所でのコミュニケーションに役立てたい。

5)その他ニーズがある物資
いくつかのWebサイトで「今、リアルタイムで不足している品々」が掲載されている。これも輸送力に限界があるけれど、せっかく行くのだから載せられる限り載せていくつもり。

★なるべく更新します
このブログは普段、木曜日にしか更新しないけれど、ゴールデンウィーク中は通信事情が許す限り毎日更新しようと思います。事実の淡々とした記録は、多くの人が、多くの視点で残した方がいいでしょうから。後から行く方の参考になると良いけれど。

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