プログラマーでありたい!
今日は中途採用の面接を行いました。転職の動機は「プログラミングの仕事がしたい」です。
ITバブルの時代、SIerは多くの人を採用していました。当時は仕事の内容で、「PG(プログラマー)」「SE(システムエンジニア)」と区別され、人月単価も差がついていました。他にも、「TE(テストエンジニア)」「PM(プロジェクトマネージャ)」など、様々なランクを使っている現場もありました。
基本的に、入社後しばらくはプログラマーとして活躍してもらい、その後システムエンジニアと昇格し、さらにプロジェクトマネージャーを目指せ、とか言われていたものです。今でもそういう流れを考えている組織もあることでしょう。
それに対応して、専門学校などの教育でも、生徒に対してプログラマーの先にシステムエンジニアがあり、早くシステムエンジニアになれるように頑張りなさい、などと教えているところも多かったように感じていました。
私自身は、学生時代のアルバイトでプログラマーをスタートし、入社後、事業部を作った後、そして社長になった今でもプログラマーです。ITバブルの頃には、プログラマーがシステムエンジニアより格下に扱われるのが頭に来ていた頃もありました。それに対抗してプログラマーが自信を持てるような本を書いたりしてきましたが、現実を分かっていないなど批判的な感想も多かったものです。
ITバブルがはじけた後、つまり、大規模案件を階層的下請け構造でこなす案件が減り、ビジネスチャンスを狙って短期間で一気に開発を立ち上げ、運用しながら機能アップをしていくような開発が注目されるようになった頃から、プログラマーの立場が上がった(あるいはシステムエンジニア不要という現場が増えた)イメージも出てきて、さらに、ミドルウェアや高機能な開発環境・言語の登場を背景にしたオフショア開発によって、誰でもできるようなプログラミングの仕事の需要が減ったこともあり、IT業界で頭数だけを考えた採用をしなくなってきました。その一方で、本当に力のあるプログラマーの不足が目立つようになってきたことも事実です。今や、腕のあるプログラマーは胸を張って「私はプログラマーだ!」と言える時代になってきたのです。
さて、少々偏った意見で盛り上がってしまいましたが、それはさておき、「プログラミングの仕事をしたいのにマネージメントを目指すように言われて困る」という人は結構いるのです。会社によっては、30歳くらいからマネージメント職になり、「プログラミング・コーディングはするな!」と明言される会社もあるそうです。
私の会社ではプログラマーは大きな顔をして仕事をしています。プログラマーは自分でプログラムを作ることができる人であり、製品やサービス、あるいは、世の中で困っていることを、プログラムを作り出すことで解決できる人なのです。企画をするだけでなくて、本当に自分自身で生み出せるというところがポイントなのです。
階層的下請け構造では、プログラマーはシステムエンジニアから出てきた仕様書通りに「作らされ」ます。指示の流れは「システムエンジニア→プログラマー」ですから、プログラマーの方が格下のイメージになってしまうのでしょう。工程の呼び名も「上流工程〜下流工程」と、仕様決めが上で、製造は下というイメージでした。しかし、今求められているプログラマーは、「指示通りに作るだけのプログラマー」ではなく、「一緒に新しいものを作り出せるプログラマー」なのです。
ということで、私の会社では「歳を取ったらマネージメント職に専念」とはなりません。もちろん、先輩になるに従って後輩の指揮管理指導などをやる機会は増えるでしょう。しかし、私自身も社長でありながらプログラマーです。せっかくの「プログラミングを作ることができる」能力を捨てる必要はありません。
プログラミングが好きで、プログラミングを続けたいのに無理矢理マネージメントに専念させるなど、実にもったいないことです!