プログラミングでメシが食えるか!?

万年筆:生まれ年製造の万年筆

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モノにこだわりのある人(?)にとって、生まれ年に作られたモノというのは格別の思い入れがあるもので、私の場合ですと、ギター、カメラ、腕時計などはもちろん、最近凝っている万年筆でもやっぱり生まれ年製造のモノは欲しいという思いが強いのです。でも、ギターですとちょうど私が生まれてから数年でブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)が保護対象になり、1970年以前のハカランダが使われたモノは、年代とは別に材質の観点からも人気が高く、とても手が出ないものばかり。腕時計もビンテージモノは高いですし、カメラは最近ではデジカメしか使わなくなったのであまりこだわらなくなりましたが・・・万年筆ならちょっと頑張れば買えるのではないかと思っていたのです。

ところが、1960年代という感じの表現は良くされるのですが、1966年と、まさに生まれ年ピッタリに作られたという根拠は、万年筆ではあまりないようで、カメラや腕時計ですとシリアル番号から製造年がわかるモノも多いのですが、万年筆はそうでもないようです。

先日の萬年筆研究会で、サイクリングの話題でもご一緒している方が、パイロットのショートという万年筆のコレクターだということを知り、見せていただきながら教えてもらうと、なんと!1966年から製造が始まったモデルだということです。パイロットはニブに製造年月と工場の刻印があるのは知っていたのですが、このモデルが私の生まれた頃に作られていたということを知り、しかも伸縮式という楽しい万年筆ということで、欲しくなったのです。1966年12月から生産が始まったということで、私の生まれ年のモノを手に入れるためには初期ロットを探さねばなりません。見分け方のコツを教わり、オークションなどを探していたのですが、意外と出てこないのです。パイロットではショートの後にエリートというモデルが出て、大橋巨泉のCMの効果もあって大人気になり、今でもエリートは大量に出回っていますし、私も先日父からもらったくらいですが、それは1969年からですから、私の生まれ年ではないのです。

見分け方のポイントがオークションで写真掲載されるのも希で、明らかに外観が違うモノはわかるのですが、微妙な違いは識別できないので、とりあえず可能性のあるものは入札してみるかと思っても、意外と人気があるのか、なかなか落札できず・・・ようやく落札できました。今週、出張で徳島に出かけている最中に落札でき、先ほど届きました。

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4本の万年筆がセットで出品されていて、出品者の方は右上の銀と黒のストライプのモデルがお勧めのようでしたが、それは1972年5月製造。

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とりあえず、それより先にショートの2本の製造年月を調べます。ショートは完成状態だと製造年月刻印は見えないので、分解しなければ分かりません。

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上が赤軸の方で、H567と刻印があり、1967年5月に平塚工場で製造されたモノです。下は黒軸の方で、T1266・・・1966年12月に東京工場で製造されたモノじゃないですか!初期ロットで私の生まれ年です。私より4ヶ月、月下です。いやー、うれしい!!(本当の製造開始ロットは1966年11月らしいです)

あまりにも嬉しくて、出品者の方にすぐにお知らせとお礼をしたくらいです。出品者の方とは万年筆談義をお取引のやりとり中にさせていただいていたのでした。出品者の方にも、入札で途中で降りてくれた方にも感謝です。

とりあえず、せっかく分解したので、お手入れを。4本まとめて進めたら結構時間がかかってしまいましたので、途中からはショートの2本に集中。


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ペン芯もニブもピカピカに。ペンポイントの調整などは今のところしていません。

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ペン先を軸に装着すると、こんな感じに刻印は全く見えなくなってしまうのがちょっと残念。ちなみに、もっと後の世代だとここに少し別の刻印があったと思います。

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大体ショート2本の手入れを終えたので、エリートと比べてみましょう。キャップを閉じた状態ではショートの方が少し短いのですが・・・

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筆記状態ではショートの方がやや長いくらいになります。伸縮機構はちゃんと効果があります。が、この後全く作られていないので、やっぱり効果の割に製造が面倒だったりしたのでしょうね。

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ショートとエリートではニブのサイズもかなり違いますし、14Kと18Kで、金の割合も違います。

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せっかくなので、インクを入れて書いてみることにしました。とりあえず、ナミキ・ファルコンで使っているコンバーターを装着。口のサイズは今のパイロットと同じです。実はこのコンバーターだと最後まで縮められないので、他のモノを用意しなければ・・・

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すぐにインクはペン先まで流れ、滑らかに書くことができました。小さなニブなので、フレックスはそれほどありませんが、エリートと同様、とても書きやすいです。ペンポイントの調整はとくにしなくても大丈夫そうです。

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こうなると・・・黒軸は赤軸より全体的に傷が多く、せっかく生まれ年のペンなので、少しは外観も綺麗にしようと思い、金属部分は研磨ディスクで磨き、樹脂部分は800~2000番のサンドペーパー、1000~15000番のラッピングフィルム、そしてバフ掛けで多少はマシな見た目に。ペン先付近は組み立ててしまったので、また今度。

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もともと状態の良い赤軸と並べてもそれほど気にならなくなりました。

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ニブの刻印意外にも、軸の樹脂部分に「HM24」「HE25」と違う刻印があり・・・

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キャップのPILOT刻印も少し違うイメージですので、製造年にこだわる私としては、綺麗だからとキャップを入れ替えたりはせず、あくまでも黒軸の元のままで使うことにします!

このところずっと忙しかったり気苦労が絶えなかったりすることが続いていたので、神様からのご褒美と思って大事にします。

==追記==

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やっぱり軸のペン先側も傷が目立つので、綺麗にしました。

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とりあえず、これで満足!

Comment(2)

コメント

Mike46

初投稿です。
この頃のパイロット製万年筆には、ペン先だけでなく、軸にも刻印が施されており
黒軸の「HM24」は、1967年12月24日に製造、ピンク軸の方の「HE25」は、1967年5月25日に製造されたとわかります。
またパイロット ショートは、1970年代に近付くにつれてペン先に「PILOT 14K-585」と刻印されますから、初期型のパイロット ショートとわかります。

私もパイロット ショートを所有しており、個人的に資料としてだけでなく、書き味が好みな為、実用しております。

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