著書「プログラムは技術だけでは動かない~プログラミングで食べていくために知っておくべきこと」まもなく発売
久しぶりの著書
「プログラムは技術だけでは動かない~プログラミングで食べていくために知っておくべきこと」
が、まもなく発売になります。
前著「ルーター自作でわかるパケットの流れ ~ソースコードで体感するネットワークのしくみ」が2011年7月発売ですから、3年も間が空きました。2000年に初めての著書を出してから、ほぼ1年に1冊ペースで11冊目まで書いたのですが、12冊目は実に難産となりました。。
技術評論社の編集担当の方とは、前著が発売になった後から次の企画を相談し、実は2011年の12月には企画が通ったと連絡をいただいていたのです。当初は「プログラマとしてメシを食うには」という感じで、どちらかというと技術面を中心にプログラマとして活躍していくためのポイントをまとめようという感じだったのですが、その後、私自身が「新製品の開発」「既存製品のサポート・販促」「受託仕事」などで、あまりにも忙しくなってしまい、さらに、「若手メンバー達の不調(今ではバリバリ活躍してくれるようになりましたが)」「社内のマネージメントの苦労(これは今でも苦労中・・・)」などにより、そもそも説教する気がなくなってしまいました。
「著書に説教臭いことを書くくせに、実は自分のところでうまくいってないじゃないか・・・」ということで筆が進まず、編集担当の方とは半年に一度くらいミーティングをする度に「説教というより愚痴?」という感じの内容が増えてきて、「こんな本を出しても読みたい人はいないのではないか?」と自問自答を繰り返し、それでも編集の方が「そういうリアリティのある内容の方が訴えるものがある」と背中を押してくれ、なんとか一通り書いてみたものの、「本にするにはボリュームが足りないからもう少し肉付けを」ということで、より具体的に書き加えたところ、最後には「ページが増えすぎて、あとがきを入れるスペースがなくなった」ということで、上記の技術評論社の紹介ページの「著者の一言」にあとがきの内容が抜粋して掲載されたりしました。
私自身が一般論をまとめた本が苦手で、「こうあるべき」「こうすべき」と書かれているものを読むと、「その方法で自分が成功できたのか?」と言いたくなってしまうひねくれ者なので、今回の著書は「自分が経験したことを、成功も失敗もそのまま書こう」と考えました。まあ、私の成功など人に誇れるレベルでもなく、失敗ばかりという気もしますが、他人の失敗からも得るものは多いはずと信じて書きました。このブログ自体も同じ考え方で、自分の経験や考えだけを書き続けています。
すでに絶版になりましたが、2007年に書いた「プログラミングでメシが食えるか!?―成功するプログラマーの技術と仕事術」の延長で、技術の具体的な話ではなく、プログラマ仕事の経験を中心に事実をまとめたもの、という感じです。当時はあまり書けなかった「どうやって仕事を得るか」といった内容もかなり暴露してみました。7年の間に私の考え方もだいぶ変わりましたが、「得意分野で勝負しよう!」ということは今でもぶれていません。当時は「理想論だ」とか批判をたくさん受けましたが、得意分野で勝負しなかったところはかなり淘汰されてしまった今ではこの考え自体は当たり前となっていると感じています。
プログラミングやネットワークの、個別の技術話はほとんど出てきませんので、プログラマだけでなく、クリエイティブな仕事をしている人なら考え方として面白い部分があるかもしれません。ブランド力も何もないプログラマ社長がどうやってメシを食ってきたかが書かれています。
少しでも読んでくださった人の心に残る内容があれば幸いです。
著書を書くのは本当に精神的に苦しいことが多いので、毎回「もう終わりにしよう・・・」と思いながら、「10冊書けば本物?」と自分に言い聞かせてました。今回は「1ダースは区切りがいい」と考えて頑張りましたが、何となく書く度に苦しさが増してくる気がしますね・・・。