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プログラミングでメシが食えるか!?

事業の柱は何本でいくか?

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事業なり会社経営なりで、私自身、いつも答えが出ないテーマが「選択か分散か?」という感じのことです。ちょっとこれでは省略しすぎてわかりにくいのですが、要するに、「これだと決めた1本の柱で行くのか、あるいは、柱を複数立てるのか?」ということです。

個人レベルの話になると「得意分野で勝負しろ」「なんでもできるというのは、なにもできないことだ」と、「これぞというもので勝負」と言い続けている私なのですが、事業に関してはそうでもないのです。

当社は現会長が1977年に設立した会社で、既に35年続いているのですが、私が入社してからでも23年続いていて、少なくとも私が見てきた中では、事業が3つあったというのは大きなポイントだったと感じてきました。3つとも大繁盛というのは滅多になかった気がしますが、どれかが落ち込んでも他がカバーしてきたことはよくありました。

私が入社してからしばらくは、プリント基板設計CADシステムの開発販売を担当していたのですが、あるときまで毎年数千万円の税金を払っていた(つまり、儲けていた)CADベンダーが、その後一瞬で倒産してしまったこともありました。

ある業種向けのシステム開発販売を目的に出資を集め、華々しくスタートした会社が、その後数年で倒産したこともありました。

「一つの柱だけに頼っていると、その柱が揺らいだときに怖い」というイメージが私の中にあるのです。

もちろん、逆の考えもあり、「逃げ道をいくつも作っていると、どれも中途半端に終わる」「二兎を追う者は一兎をも得ず」となることもあります。

私がなぜ「事業だと複数の柱」と考えているかというと、一人ではないからです。人にはそれぞれ特性があり、柱を立てるのが得意な人ばかりではないのですが、柱を立てるのが得意な人が一人きりということでもないと思うのです。また、柱を立てるのにはステップがあり、立て始めるのが得意な人、ある程度立ってから伸ばすのが得意な人、安定させるのが得意な人、など、全部一人がやることもないとも考えています。

柱を立て始めるのが得意な人がいつまでも一つの柱にしがみついているより、それは他の人に任せて、次の柱を立て始めても良いと思うのです。いや、むしろそうした方が、経営的にうまくつながるのではないかというのが私の考えです。

一人で趣味の延長でやっている分には、立てた柱が目立たなくなって、倒れてきても、まあ、やめても良いかもしれません。しかし、事業、あるいは会社経営というのは、関係者の人生もかかっていますから、そう簡単にやめるわけにはいきません。もちろん守りに入ってしまうと駄目ということもありますが、バランスが大切だと私は考えています。

そんな考えなので、私はいくつも製品を立ち上げ、さらにまだまだ次のチャレンジをしています。社内で一番情報がたくさん入ってきて、一番イケイケタイプで、一番自慢好きの私は、やっぱり立ち上げるのに向いていると思うので、私はどんどんチャレンジしないとならないのです。もちろん私一人ではなく数人そのようなタイプがいます。そして、しっかりマメにサポートし、展開するのが得意なメンバーもいます。

どの製品、どの事業が芽が出るかもなかなかわからないものです。わからないからやらないでいると、何も始まりませんから、私は「これだ!」と思ったらとりあえずやってみます。感覚的には「3年やって駄目なら諦める」という感じでしょうか。もっとも、3年間それだけに集中しているわけでもなく、諦めても実は他に応用できることも多く、それほど無駄になっていませんし、結構目が出ているものも多い感じがします。

特に、波に乗って稼げているときには、私は他のことをやるようにしています。ある程度柱がしっかりしてくると、私のようなイケイケタイプより、マメなタイプの方が上手にまとめていけるものです。そして、稼ぎに余裕があるときこそ、次にチャレンジするチャンスで、そもそも余裕がないときは自転車操業になってしまってチャレンジどころではなくなりますから。

このあたりの戦略も、人それぞれだとは思うのですが、私はこんな感じで、柱はどんどん立てたいタイプです。

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