製品開発の幸せとは?
今日は当社の「WEB負荷試験ツール:SADEE2」のデモを行ってきました。この製品は当社のIT製品の中でも最古の製品で、10年前くらいから販売しています。当時はWEB負荷試験ツール自体がまだそれほどなく、競合製品は数百万円するものくらいでしたが、その後、フリーソフトが登場したりする中で、だいぶニーズが変わってきました。
当時はエンドユーザさんが、WEBシステムを開発するソフトベンダーが信用できないということで、自分で試験してみる、という目的で購入いただくことが多く、複雑な要求があるのではなく、使いやすさや価格がポイントでしたが、最近は、普通のことならフリーソフトでできる時代なので、複雑な要求がある場合がほとんどです。
たとえば、複雑な認証やセッション管理に対応した試験が行いたい、とか、WEB認証後に他のシステムまで連携して試験を行いたいなど、困っているので何とかして欲しい、という相談が増えています。
自社製品ですので、どんな機能でも、それこそソースを見ればわかりますし、必要であればソースをカスタマイズして対応することもできます。その結果、SADEE2は年に数本しか売れていないのに、バージョンはどんどんUPしています(つまり、カスタマイズ要求に結構な頻度で対応している)。
以前は80万円で販売していたのですが、現在は238,000円。それで、昔よりハイレベルな相談対応やカスタマイズ対応などを行っているのでは、はっきり言って割が合わないのですが、当社は製品の位置づけをかなり幅広く考えており、
・その製品自体で利益を得たい
・その製品をきっかけにお客さんと知り合いたい・ニーズが知りたい
・その製品で当社の知名度UPを狙う
・メンバーがどうしてもやりたいから・・・
当社にとってはどれも必要なものだと考えるようにしています。SADEE2はそもそも私が一人で開発・対応をしてきた製品ですし、もう10年以上販売しているので、これ自体で利益を、というよりは、他の目的ですね。。
個人的にはWEBシステム開発は大嫌いなのですが、SADEE2はWEB開発と言うよりはネットワークプログラミングなので、ほとんど問題ありません。HTMLの解釈は好みではありませんが、それ以外は楽しいネットワーク技術満載です。さすがに10年以上もカスタマイズを続けてきたソースは、かなり汚い状態になっていますが、それでも作り直す気にならないほど、多くの細かい機能を持っています。
お世辞にも使いやすい洗練されたツール、という感じではありませんが、その代わり、ある程度詳しい方にはたまらない便利さがいろいろあり、今日のお客さんも、SSL対応のあたりや、シナリオデータの自由さなど、いくつか気に入っていただけたポイントがあったようです。
自分が手がけたものが役に立つ、これが製品開発の幸せです!