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プログラミングでメシが食えるか!?

プレゼンの練習

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先日、方波見さんのお誘いで、負荷テストセミナーで当社製品のWEB負荷テストツール「SADEE2」の紹介をしました。メンバーが動画でスピーチの様子を記録していてくれて、昨晩聞きながら自己採点してみました。

良くなった点
・以前に比べると「え〜」が減った
悪かった点
・ゴニョゴニョと何を言っているのか聞き取りにくい部分がたまにあった
・話の流れがあまり整理されていない

プレゼンの難しさは誰もが感じているものだと思います。人それぞれプレゼンに対する取り組みも違うことですし、こうすべき、という答えがなかなか無いという気もしますが、私が考える一番のポイントは、「自分にあったやり方を見つける」ことだと思います。

昨日はメンバーが受託開発の新規のお客さんに、当社の実績と強みをアピールするということで私も同席しましたが、訪問する前に予行練習を社内で行いました。今日も先ほど、不正接続検知/排除システム「IntraGuardian2」の客先プレゼンの予行練習を行いました。プレゼンに慣れたメンバーはもちろん予行練習なしで出かけていきますが、不慣れなメンバーはまず社内で予行練習をする、というのが部内で標準化されてきたみたいです(私がやれとは、一言も言っておらず、自主的に)。

プレゼンで一番まずいのが、スピーチが止まってしまうことでしょう。楽器の演奏会でも同じですね。途中でピタッと止まってしまうことほど怖いことはありません。なぜ止まってしまうかというと、頭の中が真っ白になってしまうからだと思います。完璧なプレゼンを目指しすぎると、「あれも説明しなければ」「もっと引き込まなければ」と考えすぎて、何かのきっかけで思考停止状態になってしまうものです。

そもそも、大抵のプレゼンは聞き手に資料が配られていたり、聞き手もある程度情報を持っていることがほとんどですので、それほどたくさん説明する必要はないことが多いものです。大量に説明してもどうせ頭に入りません。それよりは、ポイントのみ、インパクトをしっかり与える方が効果的なことが多いものです。

そう考えると、予行練習の目的は、流れを完全にたたき込むということではなく、雰囲気になれること、ポイントを確認すること、突っ込まれた場合に対応できるようにしておくこと、というあたりでしょう。社内の予行練習では聞き手はお客さん役を演じ、お客さんならこう突っ込むだろう、という演技をしながら練習しています。

プレゼンがうまくなるコツは、何よりも場数を踏むことだと思います。緊張したり、おどおどしていたりしては、お客さんがその気になってくれません。堂々と振る舞うためにはある程度慣れが必要です。そうなるためには、失敗もたくさん経験しなければならないので、失敗を恐れて不慣れなメンバーを出さずに、慣れたメンバーだけに担当させると、いつまでたっても不慣れなメンバーはできるようにならないのです。あまり込まないことを指摘しすぎても、かたくなったり考えすぎたりして逆効果で、それよりは「いいよ、大丈夫だ。自信を持ってやってきて!」と送り出した方が良いものです。

まあ、プレゼンが大してうまくもない私が書いても説得力がありませんが、私のやり方は、

・事前準備はほどほどに
 あまり綿密に考えすぎると、場の雰囲気に応じた対応ができなくなります。「結局何を伝えたいのか」だけを頭に入れ、後はその場の雰囲気と流れで乗り切ります。

・くどい説明は避ける
 配付資料に書いてあることは、後で読んでもらえばいいことがほとんどです。分厚い資料を順番に読むようなプレゼンだと、始まった段階でこの先長い時間同じように続くことを考え、聞く側は疲れてしまいます。むしろ配付資料に書けなかったこと、たとえば裏話やオフレコの話などを話す方が、聞き手が乗ってくることが多いものです。

・インパクトを
 だらだらした感じで話を続けていても、聞き手は眠くなるばかりで、終わってみればなにも覚えていないということになりがちです。インパクトを与えなければなりません。意外と効果的なのは「動かしてみせること」です。機能などを細かく説明するより、「実際に動かしてみましょう」と、その場で動かした様子を見せると、意外と記憶に残りますし、眠くならないものです。これは音楽でいうところのライブ演奏と同じで、やっぱりその場で今やっていることというのはドキドキ感があるものなのだと思います。

・資料ばかり見ない
 聞き手の表情や反応を見ましょう。

・大きな声でゆっくりと
 声が小さいと聞く気になりにくく、早口だと頭が追いつきません。たくさん話そうと意気込みすぎると早口になってしまい、結局何を言っていたのか記憶に残らないと言うことになってしまいます。

・自分の流れで
 自信なさげに進めていると、短気なお客さんはどんどん突っ込んできます。突っ込みに対処するのは、自分から話すことに比べて難易度は断然高くなります。突っ込まれないためにも、自分の流れをきちんと作り出しましょう。

こんなところでしょうか。基本的に私のプレゼンは毎回ぶっつけ本番にかなり近いのです。これは私の性格に合っているからで、それがベストということではもちろんありませんが、昔から事前にしっかり準備したときほど、自分でもつまらないプレゼンになってしまうことが多かったと記憶してます。むしろ聞き手の様子を見ながら、反応のあった話題を展開していく方が、話す方も乗りやすいと思っています。一番難しいのは、聞き手の反応が無い、あるいは聞き手の志向があまりにもばらついていて、何に反応するかが想定しにくい時です。今までで一番難しかったのは、八重洲ブックセンターで行った「プログラミングで飯を食わせろ!!」発売記念講演のときで、聞き手の年齢層も幅広く、エンジニア風の方から、ご年配の方までいらして、何を話すと興味を持ってもらえるのかが非常に想定しにくい状態でした。それに比べれば、客先訪問でのプレゼンはだいぶ楽なものですね。

ということで、プレゼンはまずは「慣れ」。どんどんチャレンジすることと、周り、特に上司は、どんどん任せることが大切です!

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