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プログラミングでメシが食えるか!?

本を読もう!:『ハッカーと画家』

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今回紹介する本は、WIDEプロジェクトでお世話になっている山本和彦さんから先日ご紹介いただいた本です。山本さんはEmacs使いには有名なMewというメールリーダーの開発者で、メール関連はもちろん、IPv6やプログラミング言語など幅広く知識をお持ちの方で、お会いするたびに「D言語は良いですよ」「Haskell最高!」と、熱く語ってくれます。この本をご紹介いただいた時は、「小俣さんの本って売れてるんですかぁ?」「プログラマーの本なら『ハッカーと画家』や『Joel on Software』が良いですよ」という感じの会話になり、早速2冊とも買ってみました。まず『ハッカーと画家」を読んでみました。

ハッカーと画家
Paul Graham著 川合史郎監訳
オーム社
ISBN4-274-06597-9

著者のポール・グレアム氏は世界で最初のASP(アプリケーションサービスプロバイダ)を作った人で、それが買収されて今のYahoo!Storeになっているそうで、有名なLispプログラマーだそうです。私はプログラマーのくせにあまり有名人を知らないもので・・・。

本の内容としては、オタク話満載という感じで、良くここまで言いたいことを言いまくったと感心するほどです。プログラマーが優秀かどうかはスピードの速さできまる、というあたりや、富の作り方のあたりは共感できる部分も多く、私もこの本の存在をもっと以前から知っていれば「プログラミングでメシが食えるか!?」でもっと過激な書き方をできたかも知れないという感じです。

ただし、残念ながら、翻訳本なので、ジョークや皮肉などが直感的にわかりにくく、やっぱり本当のおもしろさはアメリカ人が読まないとわからないのかな、と感じました。言葉の問題もそうですが、文化もわからないとジョークなどは理解できませんので。

また、著者がLispプログラマーなので、後半はLispを褒める話題ばかりになるのも個性的すぎるかも知れませんが、私もC言語とかネットワークプログラミングの話題ばかり書くので人のことは言えませんし、得意なことを書かないと一般論だけになってしまうので、これで良いのでしょう。HappyHackingKeyboardで有名な和田先生もLisp好きで、「C言語なんて駄目だよぉ」といつも言われています・・・。まあ、作るものが違いますから。。

この本は説教臭い感じではなく、とにかく最初から最後まで著者の考えが書きまくられていますので、気に入らない人は全く受け付けないでしょう。それでも、プログラマーとして成功した人の一人として、どんなことをどんな考えでやったのかなどはとても参考になると思います。「プログラミングでメシが食えるか!?」に反感を持つ人は、間違いなくこの本を読んだらさらに強烈な反感を持つことでしょう。一方、我こそは、と思うプログラマーにとってはとても良いヒントがたくさん見つけられると思います。共感できるかどうかで、自分が、依頼されたものを作る仕事に向いているか、何かを生み出したいと思っているかが判断できるくらい、強烈な内容・書き方だと思います。

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