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働きにくい職場での働き方改革に求められる施策とは

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 株式会社NTTデータ経営研究所から8月8日に「働き方改革の取り組みと職場へのインパクト」というニュースリリースで企業の働き方改革への取り組み状況と、それに取り組む人々の意識調査の結果が発表されている。設問がよく練られていて、非常に興味深い結果になっているので働き方改革に取り組もうとする人はぜひ参考にするとよいと思う。

 さて私のほうでもその調査結果からデータを再加工していくつかグラフを作ってみたので、その内容とそこからの考察を以下に書いてみる。

 まず、NTTデータ経営研究所の調査の「1-5.働きやすさと事業環境」には、自身の職場を働きやすいと回答した人は約半数(46.1%:n=523)でそのうちのまた約半数(48.9%)は会社が働き方改革に取り組んでいるとある。自分の職場が働きにくいと回答した人(n=230)の企業での働き方改革取り組み度は25.2%と低いので、働き方改革の実施度と職場における従業員満足度には一定の相関があることが推定される。

 この調査では、働き方改革に取り組む際の各種施策への感想について、この働きやすい職場の人と働きにくい職場の人に分けて集計をしている。(参考:元の調査結果の【図表 1-6-4】 働きやすい職場の働き方改革の施策および【図表 1-6-5】 働きにくい職場の働き方改革の施策

 この2つの表から各施策についての肯定的意見(継続して行ってほしい+取り組んでもらいたい)と否定的意見(制度はあるが形骸化している+中止してほしい+特に必要性を感じない)に分けて割合を集計し、肯定的意見と否定的意見の差の順にソートしなおしたものが以下のグラフである。

働き方改革における施策への意識.jpg

 働きにくい職場に勤めている人が求めている働き方改革は、「副業や兼業の許可」や「残業代の削減原資の従業員への還元」であり、「労働時間の削減目標の設定」や「早朝勤務」は不要だと言っている。求めている施策の上位に「資料の簡素化」や「無駄な業務の削減」があること、働きやすい職場では「副業や兼業の許可」や「残業代の削減原資の従業員への還元」へのニーズが低いことからしても、働きにくい職場ではそもそもの仕事量が多くて勤務時間が長くなっているので、金銭で補てんするか仕事を減らしてくれと言っていると推察される。世の中でブラック企業やブラック職場と言われてしまうのも仕方がないかもしれない。
 何度か書いたことがあるように働き方なんて、組織や個人によって千差万別だ。ブームにのって働き方改革に取り組むのは良いが、思い付きや形式的な取り組みではなく自分の会社の特徴や状況に合わせた施策を取るべきなのがこの結果にもよく出ている。
 働きやすい職場では、金銭面への要望よりも「休み方改革」や「働きやすい人材配置」が好評だ。これはさらにステップを進めよという従業員からのエールだろう。よく言われる「早朝勤務推進」はどの職場でも不評であることにも充分留意願いたい。

 もうひとつ。【図表 1-3-1】取り組んでいる働き方改革の施策とその状況から、働き方改革に取り組む際に形骸化しやすい施策をランキング順に並べ替えてみた。

形骸化しやすい施策.jpg

 実のある働き方改革が進むことを期待してやまない。

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