社内SNSとグループウェアの違い
昨日の続きで
「グループウェアとイントラブログや社内SNSはどう違う(あるいはどう使い分ける)のですか?」
という質問への回答。
社内SNSの場合従来のグループウェアと違う点をひとつあげるとすると、それは参加者各自が自由にコミュニティを開設・運営・閉鎖できることだ。昨日のエントリーで、イントラブログでの特徴を各ユーザが個人として支配できる場を作ることにあると書いたが、社内SNSの場合個人の場に加えてグループの場となるコミュニティを参加者が必要だと思ったときに随時作成できることが一番の特徴であり、社内SNSを活用する際にも最も効果を得やすい使い方だと思っている。
従来のグループウェアにおいてコミュニティにあたる掲示板やフォーラムを設置したい場合はシステム運営者に作成依頼書を書いてそれに参加者リストを付与して送るなどの手続きを経る必要があった。特定のプロジェクトが始まったりある集まりの参加者間でちょっとメッセージやファイルを共有したいとニーズが生じてもおいそれとはその場を用意できなかった。
社内SNSの場合は、思い立った人が思い立ったときに簡単な処理でコミュニティを立ち上げることが出来る。メンバーの招待や追加も自由に行えるし、コミュニティ内のやりとりをメンバーだけにするか一般公開にするかといった設定も後から随時変更できる。だからイベントなどのように用件がある都度それに特化したコミュニティを設置・運営することが簡単にできる。メンバーは必要なときに目的のコミュニティで意見交換や資料の共有を行って情報やノウハウの再利用を行って業務を効率化することができる。
但しこのように便利なコミュニティ機能も、時間が経過して数が増えてくると、有益なノウハウや必要な情報がどこにあるかがわかりにくくなり、結局その昔にグループウェア上に沢山のフォーラムや掲示板が乱立して情報の蛸壺化が起きたことと同じ結果になる可能性もある。今よく報道される社内SNSの導入事例はまだ日が経っていないものが多く、長期間に多数のコミュニティを活用した例はあまりないのでこうした問題が顕在化していないと思われる。今後社内SNS上でこの蛸壺化が起きたときに先進導入ユーザ達がなにか上手い対処法を編み出すかどうかには注目していきたい。