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COMPUTEX TAIPEI 2012の感想

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COMPUTEX TAIPEI 2012が行われました。IT系ニュースサイトでは毎日関連記事が公開されて、楽しかったですが(自作erなので)、その感想を書いてみます

■Acer/ASUSでFullHD Ultrabook発表

"Acer、プレスカンファレンスでWindows 8との連携を訴求"

Acer/ASUSの両社ともFull HDのUltrabookを発表しています。それも11.6型と小型タイプです。既にAndroidタブレットでFull HDを搭載する製品を出しているため、それは技術的に不可能ではありませんでした。

また、AppleがWWDC 2012で高精細なMacbook Proを発表すると噂があります。そのけん制も必要だったでしょう。

小型のノートPCにFull HDを搭載することがトレンドになるのか、それとも違うかはまだ分かりませんが、スマートフォンもメディアタブレットも高精細化していることを考えるとほとんどのノートPCメーカは採用するのではないかと思います。

最近のPC・ガジェットのトレンドはAppleが作っていると思います。iPadの登場でタブレットを普及させ、Macbook Airが登場で似たような製品が大量に出てきました。高精細化がもし採用されれば、同じように右に習えになるでしょう。

このためAcer/ASUSの選択は正しいと思います。先に発表しないことには二番煎じ扱いされますしね。

■ASUSの両面ディスプレイ

"“ASUS TAICHI”をぐるりとチェックする"

タブレットのトレンドは乗りたいけど、キーボードも捨てることは出来ないというジレンマから出来たような製品です。

タブレットとクラムシェル型を両対応ノートPCはあります。ディスプレイ側が回転するか、ディスプレイがとキーボードを分離して対応しています。分離方式はAndroidタブレットの多い形式です。これは部品の重さも関係すると思います。

ですが、本製品は両面ディスプレイで対応します。コストがどうなのか気になりますが、面白い使い方が出来るかも知れません。以前からノートPCにサブディスプレイをつけるデモ機は多くありましたしね。ディスプレイが安価ならばこのような製品もありかもしれません。筐体強度はちょっと心配ではありますが。

■東芝の21:9のディスプレイ搭載ノートPC

"東芝の「コンバーチブル」なUltrabookをじっくり触った"

Satellite U840Wで既に製品名が明確になっている21:9(1792×768ドット)のディスプレイを搭載したノートPCを東芝が発表しています。

過去にもディスプレイサイズが異端な製品はありました。多くは継続した製品が出ていません。たぶんコストの問題があるのでしょう。

ですが、Appleの様にサイズ違いのタブレットを長期に供給していることを考えるとディスプレイメーカと交渉しだいか、販売数しだいなのでかも知れません。

東芝の21:9は今後成功するか分かりません。シネマサイズが通常のTVでも採用されていないことを考えると難しい気がしないでもありません。ですが、ディスプレイが高精細化が始まっています。その選択として21:9もあっても面白いと思います。

また、複数ウインドを開く場合は横に広いほうが有利です。このため、21:9の流れも悪くないのではないかと思わなくもありません。目は横に視野角が広いですからね。

■Qualcommの発表

"Snapdragon S4で活用領域を拡大するQualcomm"

たぶん、ARM陣営の中でWindows RTで最もやるきがあるのはQualcommではないかと思っています。いや、NVIDIAもやる気だと思いますが。

Qualcommが現時点でCortex-A15世代(ちょっとちがうけどSnapdragon S4)を出すことが出来るメーカです。NVIDIAもTIも現時点ではCortex-A9世代しか出せれていません。

Coretex-A15とA9は性能差がかなり大きいと思います。Windows RTがどの程度軽くなっているか分かりませんが、現時点で最も速く動くのはSnapdragon S4搭載製品ではないかと思います。

Qualcommは今までスマートフォンで多くのシェアを持っていましたが、Windows 8でのチャレンジはかなり大きいと思います。Windows RTはODM/OEMで製造してもらう必要があるため、台湾メーカとの協業は必須なので、COMPUTEX TAIPEIは重要なイベントなのでしょう。

■Ultrabook大量登場

"臨機応変! 適材適所! 多彩なUltrabookが集結した"

ノートPCの売り上げが伸びているため、Ultrabookでもっと軽い製品でもっと出荷台数を伸ばそうというのが、IntelとPCメーカの思惑でしょう。

Macbook Airの登場で光学ドライブを排除してネット接続でカバーするスタイルが多くなりました。もっと軽ければいいのですが、あまり軽くない小さい製品が多い気がします(日本では軽い機種もありますが)。

Ultrabookはメディアタブレットとの競争せざるを得ません。ですが、価格と重さ、手軽さは一枚も二枚も劣ります。ハードキーボードがあることをメリットに上げることもありますが、どの程度のユーザはIDとパスワードと少しのメッセージ以外でキーボードを投入することがあるでしょうか?

と思うとUltrabookもメディアタブレットの勢いを削ぐことは難しい気がしないでもありません。もっと軽ければなぁ...

■Windows 8

"ライバルよりチャンス! ――Windows 8エコシステムのメリットを強調する"

COMPUTEX TAIPEI 2012はUltrabookとWindows 8がメインだったのかなと思わなくもありません。Windwos 8 RPもCOMPUTEX TAIPEI 2012をあわせて発表されています。

MicrosoftとしてWindows 8とWindows RTでAppleやGoogleの対抗したいところです。

そのキーの一つであるWindows RTですが、"COMPUTEXで見えてきたWindows 8/RTの光と陰"にもあるとおり厳しい情報統制化に置かれていたようです。

Windows RTは遅いのではないかと言われたり、出荷が2013年とか言われていました。このあたりは、どのように落ち着くか分かりませんが、iPadに対抗できる製品が必要なことはMicrosoftでもわかっているため、なんとかしたいところでしょう。

■まとめ

11型のディスプレイでFull HDを搭載したUltrabookは一番興味を引きました。高精細化の流れは止められないと思いますが、現時点では採用しているノートPCはほとんどありません。

WWDC 2012次第かも知れませんが、これを境に大きくノートPCの解像度が変わってくると考えています。戦艦のドレッドノートが登場で前後で大きく軍艦の仕様が変わったことがありましたが、同じ様なことがノートPCにおきるのではないかと思われます。

その走りがCOMPUTEX TAIPEI 2012で見られたのではないでしょうか。

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