スマートフォン市場(1Q'12)~Androidが8,100万台の出荷~
Gartnerから1Q'12のスマートフォンの出荷台数が発表されました(Gartner Says Worldwide Sales of Mobile Phones Declined 2 Percent in First Quarter of 2012; Previous Year-over-Year Decline Occurred in Second Quarter of 2009)。
いつもの様にスマートフォンOSシェアをグラフ化してみます。
■スマートフォンOSシェア(1Q'09 - 1Q'12)
(出展:Gartner)
出荷台数に関しては前年同期比をグラフ化してみようかと思ったのですが、Androidの過去の伸び率が高すぎて見た目はあまりにも面白くなくなるので、1年後ぐらいからグラフにしてみようと思っています。
Androidの成長率は1Q'12で前年同期比で123%増でした。iOSが96%増から比べても多いのですが、過去最低の成長率でした。Androidも成熟期に入ろうとしている可能性があります。
それでもAndroidの出荷台数は目を見張るものがあります。1Q'12において56%のシェアを持ち8,100万台です。
この数字だけではぴんとこないのですが、1Q'12のPCの出荷台数は8,800万台でした。この数字にMac分(400万台)を引くとWindows系PCの出荷台数は多くて8,400万台になります(Linux分の数%減らすべきですが、明確な数字がないので減らしません)。
Android分にタブレットを加算すると案外1Q'12でAndroidはWindosの出荷台数を超えている可能性があります。Gartnerはメディアタブレットを四半期毎の出荷台数を発表していませんが、2012年にはAndroidタブレットは3,800万台出荷が予想されています。1Q'12で少なくとも6分の1の出荷台数があるとすると600万台になります。それを加算するとAndroidが逆転します。
いや、Windows分にWindows Phone(270万台)を加算してあげるとほとんどイーブンになります。
2Q'12からWindows Phoneの躍進や4Q'12にWindows 8及びWindows on ARMの登場でWindows系が盛り返す可能性があるため、AndroidとWindowsの出荷台数競争の行方は未だに不明ですがAndroidがWindowsを抜く可能性を否定する要因はもうないと考えています。
スマートフォンの出荷台数の年/1Qの比率は、2011年で4.69でした。この数字を用いて2012年の出荷台数を予測すると6.77億台になります。Gartnerの最新スマートフォンの出荷台数予想は2012年で6.3億台です(April 7, 2011)。予想が古すぎるので参考にならないかもならないかも知れませんが、スマートフォンの出荷台数予想に関して上向きにすべきでしょう。
ただ、今後のスマートフォン市場の推移がAndroid優勢になるかはまだ分かりません。Windows Phoneが100ドルで販売され好調であることを考えるとシェアは変わる可能性があります(Siriに"これまでで最高の携帯電話は何か?"と聞くと...)。私は100ドルで販売するとは思っていませんでしたので、Windows Phoneが2Q'12でどの程度あがるか予想できません。
また、MozillaのBoot2Gecko等の新しいプレイヤーの登場の可能性もあります。iPhoneも4インチ搭載が出るのではないかと噂がまだまだ根強いですので、今後スマートフォン市場は大きく変動する可能性があります。
競争が激しい市場では売り上げ・出荷台数も伸びるものです。1Q'12の出荷台数と過去の数字だけを見て将来を予想してもまったく的外れな数字になるかも知れません。