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PC出荷台数(4Q'11)~マイナス成長~

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"Gartner Says Worldwide PC Shipments in Fourth Quarter of 2011 Declined 1.4 Percent; Year-End Shipments Increased 0.5 Percent"でGartnerから4Q'11のPC出荷台数が発表されました。そこで、いつものグラフを。

■PC出荷台数シェア

■PC出荷台数前年同期比

Lenovoの好調は未だに継続しています。次の四半期はLenovoが不得手な四半期なため、ある程度落ちると思いますが、ぎりぎり3位に落ちる可能性があっても暫定的でしょう。

4Q'11が-1.4%の成長で、2011年のPC出荷台数は3.52億台となり2010年からたった0.5%しか増えませんでした。タイの洪水によるHDDの品不足状況になった影響はあったかと思いますがそれでもマイナスになるとは思いもよりませんでした。

"PC出荷台数(3Q'11)~Lenovo遂に2位浮上~"で2011年のPC出荷台数を3.59±0.04億台と予想していましたが、さらに低かったのかかなり驚きました。大穴狙いで2012年はもしかするとマイナス成長の可能性もあると予想していますが、タイの洪水の影響やCES 2012でメディアタブレットプッシュを見ているとマイナス成長の可能性は相当高いのではないかと思えてなりません。

ただし、Lenovo、ASUS、Appleが高い成長率を4Q'11でも達成しているため、決して成長を阻害する要因が外部条件に依存していないよいうにも見えなくもありませんし、Windows 8が今年出荷されるためある最低限マイナス成長は無いかも知れないと思ったりもしています(ぶっちゃけ言えば良くわらからない)。

IntelのCPUのチェンジも4月以降なので1Q'12はマイナス成長の可能性は相当高いと予想しています。

Windows 8の発売時期はまだ未定ですが、Lenovoのいくつかの製品が4月(Ivy Bridge発売)ではなく8月とあるので、もしかすると8月かなと思ったりしています。このため3Q'12以降でなければPC出荷台数は回復せず、1H'12は現在の状況が続くと思われます。

Androidタブレットが成功していればPCの出荷台数低減を補うことができるかも知れませんが、Androidタブレットは今のところ成功を保証されているガジェットではありませんし、Kindle Fire等の低価格製品が幅をきかすとさらにPCは売れなくなるかも知れません。

このように思うとPCの悪循環が待っている気がしないでもありません。Intel主導のUltrabookが成功することで状況が改善するかと言われると私はあまりその気がしていません。Ultrabookはそれほど安価でもありませんし、メディアタブレットのメリットを覆すほどの魅力も感じません。CES 2012でWUXGA搭載のメディアタブレットが出るのに、Ultrabookが1,366x768が主流で解像度の点も劣ります。コンテンツビューアーとしてはPCの方が不便な状況が続こうとしているのにPCが売れるでしょうか?

それでも好調なメーカがいることを考えるとPCの成長がある可能性は少しはあると思うので、PC市場が回復することを願ってはいますが。

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