オルタナティブ・ブログ > 少しでもパラノイアになってみる >

知的好奇心を満たすために、いろいろなことにチャレンジする

Appleの3Q'11の業績を見て思うこと

»

Appleは3Q'11(Appleとしては2011年度第4四半期)の業績を発表していますが、ちょっと各種グラフにしてみました。

■製品出荷台数

■製品出荷台数前年同期比

■Mac出荷台数前年同期比&各製品発表

■PCとMacの出荷台数前年同期比

売り上げと純利益はグラフ化していませんが、いろいろと考えさせられるデータになっています。

一番目を引くのはiPhoneの伸びとiPodの凋落です。AppleとしてはもうiPodには興味が無くて、iPhoneとiPadのiOSガジェットの売り上げの方がメインなのでしょう。なんと言っても、音楽しか販売できないiPod(iPod touchを除く)よりも、アプリや本を販売でき通信業界から売り上げも徴収できるiPhone/iPadの方がより金を生む鳥なのですから。

また、iPadのスタートは良い感じに見えていましたが、iPhoneやiPodのスタートと比べると少しおとなしいように見えます(前年同期比のグラフでは)。iPodもiPhoneも一時期前年同期比で500%を超えることがありました。これは、ほぼ0からスタートした影響と世界的に売り出したことなどのタイミングによると思います。

ですが、iPodは7四半期目、iPhoneは9四半期目にもっとも伸びています。iPadはまだその次期に来ていないのか、それとも前2製品よりも速く立ち上がったため、このような驚異的な伸びは無いのかは分かりませんが。

Macの伸びに関しては、iPod/iPhone/iPadにどの程度影響を受けているのでしょうか。Macのみ前年同期比のグラフに各種イベントを記載してみました。iMacに関しては今の形状になったときを記載しています。

4Q'04以降は非常に高い成長率を維持しています。2度ばかり大きく減っていますが、CPUのチェンジと世界的な不況の時なので仕方ないでしょう。

iPodの影響が大きかったと言われればそうかも知れません。Macでも各製品の売り上げ台数は出ていないため、2005年以降の伸びがiPodが好調なためなのか、それとも安価なMac miniの影響なのか判別できません。ただし、Mac miniの製品のリプレイス間隔がiMacやMacBook Proと比べて長いためMac miniの影響は軽微なのかも知れません。

2008年前半までの伸びはiPhoneの影響が出ている感じがします。Apple TVは残念ながら出荷台数は出ていないため、どの程度影響があるのか分かりません。

最後に気になるのはiPadとMacが食い合っているかですが、微妙に分かりません。確かにiPadの登場と同時にMacの伸びは微妙に減少しています。このことより共食いが始まっていると言われる所以でしょう。

ですが、2008年後半の不況後に、3Q'09にはある程度回復し4Q'09~2Q'10には前年同期比的には驚異的な数字を出しています。PC全体では2Q'03以来の20%越えになりました。前年同期比は前年が不調か、もしくは今期が好調で数字はよくなります。両方ならばより高い数字になります。4Q'09~2Q'10はその両方の状況です。

不況後にいきなり好景気になったわけではないため、4Q'09~2Q'10は不況の反動による大量購入と思えます。ですが、不況の反動に大量消費が大きければ、翌年の数字は悪くなるものです。

4Q'09~2Q'10の反動が出たと思われる時期とiPadの登場(2Q'10からですが)が重なっているため、どちらの影響が大きかったのか分かりません。もしくは両方の影響が出ている可能性もあります。

このため、Macの4Q'10~3Q'11の前年同期比はiPadと不況回復後大量購入の反動が出ていると思われます。逆に言えば、4Q'11に高い成長率(PCもMacも)が達成されれば、メディアタブレットの影響は軽微だといえなくもありません。

それでもAppleは好調な部類のPCメーカの一つではありますが。

Comment(0)