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“AMDグリーン”の真髄”を見に行ってきました

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AMDの定期的に行われている“AMDグリーン”の真髄”を見に行ってきました。

AMDは、この春にPhenom II X4 955BE、Radeon HD 7890、Radeon HD 4770などの注目される製品を発表しましたが、今回はそのお披露目見たい感じでした。

■Phenom II X4 955 BE

Phenom II X4 955 BEは、DDR3に対応して現時点でAMDの最高周波数バージョンになります。また、DDR3が現実的なな価格帯まで降りてきたので(値上がりの傾向もあるようですが)、プラットフォームの交換もいい時期かも知れませんね。

後は、どれだけ周波数が伸びるでしょうか。

■Radeon HD 4890

Radeon HD 4890は、Radeon HD 4870/4850(RV770)に手を加えて、高速化とアイドル時の消費電力を低減しているとあります。単なる選別された高速版でないということだそうです。

ここで気になったのは、Radeon HD 4890を作ることを決断した理由です。

今回のような小幅な性能アップ(13%前後)では、4870ユーザが交換するとは思えません。次のバージョンまでに間が開くため、稼動を少なく微小な小幅改造でやめたのでしょうか?それともTSMCの40nmへの移行のリスクが高すぎてしぶしぶ55nmでの小幅改造でやめたのでしょうか?ライバルのGeForce GTX 275に対応するためでしょうか。

それでもフラグシップな製品は、広告の役目も担っているので、出す必然性はあるのかも知れません。

■ハイミドルRadeon HD 4770

現時点でRadeonシリーズでもっともコストパフォーマンスがいいのは、Radeon HD 4770ではないかと思われます。このカテゴリは、ハイミドルとも呼ばれる価格帯ですが、ハイエンドに手が届きそうなほどのパフォーマンスを発揮しています。

Radeon HD 4850ユーザの私にとっては1年もしないうちに似たような性能の製品がここまでの価格まで落ちてくるのかとしょんぼりさせられました(PCパーツを購入している人にはどうすることもできませんが)。

■havokとOpecCLのデモ

havokとOpenCLのでも布の動きを物理演算したデモが行われましたが、圧巻でした。動きもそうですが、これがCPUでもGPUでもできる(パフォーマンス差は公開されるず)OpecCLで行えているそうです。ここまで来れば、将来的にPCもしくは携帯でがんがん動きそうですね。

まだ、このような機能の一般的な使用例が、未だにゲーム以外でないところが悩みどころかも知れませんね。

■AOD(AMD Over Drive)の設定

AODのデモで、最新モデルはアプリケーションを登録することで、各CPUの周波数を登録できる機能があるようです。特に、マルチスレッドに対応していないゲームなどで有効でしょう。

Core i7にも負荷によって規定よりも周波数をあげる機能がありますが、クアッドコアまでコア数が増えると、全て使用するケースは一般ユーザには少ないため、このような一部のコアの周波数をあげる機能がデフォルトになるのかも知れません。

■低消費電力CPU

AMDの低消費電力CPUの系列が一枚で説明されていました。1.6GHz以上でないとPowerNowが動かないそうです。

掲載された中では、先日発表されたAthlon Neo MV-40を搭載したHP Pavilion Notebook PC dv2が有名です。私は、構成の制限をつけているAtom系よりも(今はだいぶ開放されかけているように見えます)、Athlon Neoのようもある一定の大きさ以上(12インチ以上)の液晶を搭載するノートPCのほうがいいのではないかと思っています。ただし、売れるかどうかは、価格(イーモバイルなどの提携による格安モデル)にも依存するため、分かりません。

後、デスクトップ版CPUを、モバイル用に使用された問題に関して、笑い話にしていました。これは、モバイル用CPUの価格を上げるための販売上の戦略からだめなのでしょうか。

■ロードマップ

今回のイベントで一番聞きたかったのは、この箇所です。

6コアのIstanbul(G34)と、Phenom系(AM3/2)ではソケットがまったく違うため、今のところ予定はないそうです。過去にAthlon 64 FXにおいてSocket 940を使用した製品もあったため、ライバル動向次第では出す可能性もあるかも知れませんね。ただし、最近のAMDはFXカテゴリを出すことができていないため、無理に出す必要性があるとは思えません。

低消費電力版Phenom IIに関しては、Phenom II X4 955BEの2.1GHzあたりでTDPが68.9Wとなっているため、このあたりの周波数帯で出してくるようです。また、以前イベントで通常消費電力版の発表後の半年ぐらいで低消費電力版をだすようなことも言っていたので(Phenomの通常版が2007/11で、低消費版が2008/4)、Phenom II X4のDDR3版が出たのが2009/4なので、10月前後でしょうか。

■Kumaは...

Phenom IIのDDR3版が出荷された当初は、3コアとL3の一部をdisableされたバージョンのみが出て、多くのユーザをがっかりさせましたが、「「全然微妙じゃなかった」――Phenom II X3が大ヒット中」にあるとおりBIOSをいじることで死んでいる項目を生かすことができる場合もあるようです。

今回のKumaも、その可能性がありそうです。成功すれば、もっともコストパフォーマンスが良いクアッドコアとなりますね(動けばの話ですが...)。

■まとめ

ロードマップの回答は聞きたかった項目が多くよかったです。

ですが、今回のイベントで一番気になったのは、同じ内容を二回行ってくれたことです。

他のメーカのイベントでは、リナックスカフェでは入りきれなくて(外にも大型ディスプレイを置いてくれない場合もある)、見ることができないことがありました。そのときは、箱の大きさを考えてイベントをしてほしいと思ったものです。

今回のように複数回行ってくれれば見逃すことも減ります。箱がそれほど大きくない場所で行う場合は、今回のようにしてもらえると非常に助かります。このような細かい配慮は、イベント慣れしているAMDさんらしい対応で助かりました。次回も同じようにしてくれることを期待してます(他のメーカも)。

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