ビジネスとお父さん業のスキルを向上するIT活用術

日立がIoTプラットフォームの木の下で絶好調!!

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日立のIT事業は3、40年も前から、

「技術は強いが、営業、マーケが弱い」

というイメージが強く、(技術力の高い会社では良くある話だが、、、)

個人向パソコン、オフコン時代や、その後のパソコン、サーバー、ソフトウエア、そしてクラウドの時代に入っても同様だった。 

「製品は他者と同じか良いのに、富士通やNECなど、競合他社に比べて売れない。品質もいいから一度買ってもらえば良さがわかるはずなのに」

と、日立の社員でさえも、そのように語る人が多かった。

しかし、いま、日立は、IT分野で今までになかったほど、大きな影響力を持つ企業になろうとしている。

 その大きな競争力の中心にあるのが

日立 IoTプラットフォーム Lumada(ルマーダ)

だ。

 ITビジネスの主戦場ともいえる「IoTプラットフォーム、AIの事業」において、

富士通、NECなどの日本の大手IT会社が、どこにフォーカスするのかが決められずに迷走する中、

得意の社会インフラ、産業エレクトロニクス(特に製造業の制御や運用、流通、交通)にフォーカスして、実証実験の域を超えた大きなビジネスとして成功させはじめている。 

日本での実質的なビジネスという意味では、日本IBMをも凌駕しているといってもいいだろう。


<IoTプラットフォームのLumadaからSIのブランドへ>

 2017年5月、「Lumada事業」の売上は、

2016年だけで、既に9000億円(SIが7800億円、AIや分析などのコアが1200億円)に達していたと報告され、今年2018年は1兆円を軽く超える勢いだということだ。

しかし、2016年5月に「シリコンバレーを中心に、世界トップクラスの人財を数百名規模で採用し、3年間で1000億円を投資する」と発表があって、同じ2016年の売り上げが既に9000億円だったというのは違和感がある。

これは、

IoT/AI、工場、産業エレクトロニクス、社会インフラ系プロジェクトを洗い出せ」

と社内で号令が出て、それらを後から集計したものだったようだ。

 IoTプラットフォームとしての「Lumada」を活用したというより、

関連するSIなどを「Lumada事業」あるいはブランドとして捉えて集計したものと考えた方がいいだろう。

 IoTプラットフォームというテクノロジーとしての「Lumada」から、

SI事業の注力分野でありSIのブランドとしての「Lumada」に変わったのだ。

 以前の日立であれば、

LumadaAPIを使っていない」

「単なるユースケースとして参考にしただけ」

「定義から考えるとIoTとはいえない」

IoTプラットフォーム上にあるサービスではない」

などとテクノロジーの視点で判断してLumadaという名前の実績には入れなかったかもしれないが、今回は違う。

多少強引にでもLumadaブランド内に入れ、認知度を高めるとともに、それらをLumadaのユースケースにするのか、フレームワーク、APISaaSなど、IoTプラットフォームとしてのLumada上のサービスにしていくかを、後で決めるという戦略なのだろう。

 技術一辺倒だった日立のIT事業は、「Lumada」というブランド力を生かそうとしているのだ。マーケティングが、お客様の視点、ビジネスの視点に変わってきた証拠である。

 これはIBMWatsonと同様である。一般にAIIBMAIではなくコグニティブと言うが)として認知される形で登場したWatsonだが、名前が認知されるようになると、事業名、ブランド名に変わってきた。


<IoTプラットフォーム Lumadaの特長>

 IoTプラットフォームとしての「Lumada」には大きな特長がある。

 テクノロジーやオフィシャルなビジョンは、日立のホームページやネット上に様々な情報があるので割愛するが、

日立グループの工場、鉄道などのビジネスのインフラ、プラットフォームとして利用していく

「ユーザーとしての側面」が強いことと、

「共創ビジネス」のサービスプラットフォームとして展開しようとしていること

の二つの特長がある。

 また、自社テクノロジーにこだわり過ぎず、「オープンなテクノロジー」を積極活用する取り組みが進んでいる(Lumada発表前から進められていた)ことも特長と言っていいだろう。


<Lumada事業の動向>

 なぜか、主要IoT/AIイベントでの講演が少ないが、PRが非常に頑張っているので、日立がどれだけこの「Lumada」に賭けているかが良くわかる。

 2016年5月の発表後、10月にはプロトタイピングや仮説検証などを行える「Lumadaコンピテンシーセンター」を設立し、翌20172月には日立社内の各ビジネスユニットにChief Lumada Officerを置き、社内のさまざまな業務プロセスの効率化などの改革を、Lumadaに一本化して行うことが発表された。

 そして、2017年始めには、大みか事業所で、約8万個のRFIDタグを活用し、進捗、遅延などの工程を見える化することで、ムダを排除する「RFID生産監視システム」と、

生産工程においてカメラを活用し、画像分析によって問題点を可視化する「作業支援システム」、

それを製品設計に反映する「モジュラー設計システム」が公開された。

これら3つのシステムからの情報は、「工場シミュレーター」で統合され、生産リードタイムを半減させることに成功したとしている。


<2018年(直近6ヶ月)のLumada関連動向>

 今年に入ってからの日立のLumada事業の動きは凄まじい。技術、PR、マーケティング、営業が一体になって走り続けているようにみえる。

 2018年に入ってからの半年(1月から昨日まで)で、以下のように28件の大きな動き、ビジネスの成功が報告されており、今年後半もこの勢いは止まらないだろう。

 ITベンダーとしてIoTプラットフォームを提供している富士通、NECはもとより、

日立に近い事業ポートフォリオを持っている東芝も、ぜひ続いて欲しいものだ。

2018年1月

(社会インフラ)

 アナログメーターの無線自動読み取りセンサーによる自動収集と可視化、異常通知で。製造工場やエネルギー分野などの社会インフラ設備の点検業務を大幅に効率化する「メーター自動読み取りサービス」を21日に発売すると発表。

今後、IoTプラットフォーム「Lumada」のユースケースとして、電力、産業などの顧客と協創して展開していく。

(マーケティング)

 スポーツ、エンタメ、商業施設において、インターネットとリアル店鋪の情報を一元的に収集、分析し、消費者のファン化を促進するトータルCRMを、IoTプラットフォーム「Lumada」を基盤の一つとして提供。

(医療・ヘルスケア)

 医師が診断レポート作成や画像診断のワークフローを効率化する製品、サービスを提供し、循環器科や産婦人科を中心に米国で1000施設の顧客基盤を持つ米ビジスターを買収することで合意。

日立のIoT(モノのインターネット)プラットフォーム「Lumada」を組み合わせたデータ活用も検討。医療現場から経営までを支援し,医療の質向上に貢献。

(医療・ヘルスケア)

 サンヨーホームズと日立は、高齢者の、見守り支援サービスや生活パターン分析により健康維持を支援する事業を協創。

大阪府豊中市のデイサービス施設「サンアドバンス緑ヶ丘」に、サンヨーホームズが開発する屋内移動支援ロボットに日立のIoT技術を活用した歩行画像解析技術サービスを付加した製品の提供

(海外事業)

 社会イノベーション事業を海外で拡大していくため、2018年41日付で事業体制を変更すると発表。

IoT プラットフォーム「Lumada」を活用したデジタルソリューションのグローバル展開を推進する。


2018年2月

(家電)

 日立アプライアンスは、家電製品の新しい宣伝キャンペーン「ハロー!ハピネス」を2月より展開する。「360°ハピネス~ひとりひとりに、うれしい暮らしを~」の新コンセプトに基づいたキーワードで、新コンセプト製品第一弾の3商品が発表された。「働く女性」と「シニア」をターゲットに、家事の忙しさ、操作のわかり難さからの解放のための機能を提供していく。

日立ではすでにIoTプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」で、スマート家電や他企業との協創といったスマートライフを加速させる。

(Society5.0)

 FAITとつなぐオープンプラットフォーム「Edgecross」を推進するEdgeCrossコンソーシアムEdgeCrossコンソーシアム幹事会社に日立が加盟。三菱やオムロンらと並ぶ。(幹事会社はNEC、日本IBM、日本オラクル、三菱電機、日立製作所など7社)

データを核としたIoTプラットフォーム LumadaEdgecrossとの連携により、Society5.0の実現。


2018年3月

(倉庫)

 ユニーと日立は、独自開発した人工知能技術を活用した倉庫業務効率化サービス」の提供を4月から開始。

流通、物流などの倉庫業務での作業実績、サプライチェーン情報などをで分析、学習し、作業効率を継続的に改善する。

今後、日立はIoTプラットフォーム「Lumada」のユースケースとして広げ、流通、物流業を中心としたお客に展開し、経営課題解決やビジネスの成長などを支援

(運輸、交通)

 日立は高速道路、バスなどの道路/交通事業者などに各事業者が持つIoTデータを分析・可視化する「交通データ利活用サービス」を4月から提供開始すると発表。IoTデータを、地図やグラフなどで可視化し多面的に分析するもの。

(建設)

 日立IoTを活用し、建設現場の生産性や安全性の向上を実現するシステムの開発を発表した。専用端末とクリーンビーコン、GPSを用いて屋内・屋外問わず作業者や建設機材の位置情報をリアルタイムに把握することで、作業員の余剰・不足の検知や人員の適正配置、危険行動察知を可能にし、生産性の向上に貢献するもの。


2018年4月

(社会インフラ)

 センサーデーターと既存業務システムデーターを統合的に分析可能な 社会・産業インフラ分野向けのデータ分析基盤の提供を開始。

鉄道や電力・ガスなど社会インフラ分野や、製造プラントを有する産業分野などの顧客向けに、本基盤を活用したデータ準備・分析のためのサービス。

今回提供を開始する基盤は、IoTプラットフォーム「Lumada」のアーキテクチャーをもとに、国内外の既存および新規開発した各種ソフトウェア群を組み合わせ、社会・産業インフラ向けに整備したも。

(運輸、交通)

 日立、2018年4月に総合トランスポーテーションサービス企業であるペンスキー(売上260億ドル、従業員5万人)が所有する乗用車販売、トラックリース、ロジスティックス、モータースポーツビジネスで蓄積された膨大な車両データーを、日立のIoTプラットフォームを駆使することで車両の稼働効率を向上する取り組みを開始。


2018年5月

(製造)

 日立、ファナック製ロボットを搭載した産業用ロボット自律走行装置を販売を通じて、製造・流通分野向けソリューションの拡充を図るとともに、自ら製造業で長年培った経験・ノウハウを基にIoTプラットフォーム「Lumada」や先進の研究開発を活用する

(医療、ヘルスケア)

 田辺三菱製薬と日立はAI技術を活用した新薬開発における臨床試験の効率化に向けた協創を開始する。

第一段階として、IoTプラットフォームLumada」を活用し、医学文献などからの情報収集を自動化する技術を、汎用化したソリューションコアとして、2018年度から順次、国内外の製薬業向けに広く提供する

(製造)

 日立の神奈川、習志野事業所の事例を公開。

日立製作所 神奈川事業所の品質試験ログデータの見える化とAIによる分析による「品質試験工程を最適化」と、

日立産機システム習志野事業所での、産業機器生産ライン上の各工程からリアルタイムに収集したデータを見える化し、問題点を分析して現場へフィードバックし、生産計画の精度を向上させ、生産遅延をなくして納期管理を厳格にするという取り組み事例公開


2018年6月

(製造)

 日立は機械メーカーのアマダとの協業を発表。

アマダの富士宮工場で日立のIoTプラットフォーム「Lumada」とアマダのIoTサービス「V-factory」と連携した、生産からサプライヤーも含むバリューチェーン全体の最適化の先進モデルを構築し、アマダの他の国内外の工場への適用拡大を目指すとともに、共同で事業展開を行う。

(電力)

 丸紅は電力小売事業で、日立製作所の協力により、AIを活用した市場分析モデルの実証実験を行ってきたが、この度本格導入を開始したと発表。

AIやビッグデータ解析など、最新のデジタル技術で構成される日立のIoTプラットフォーム「Lumada」を活用。

(製造)

 ファナックの「FIELD system」が日立「Lumada」などとプラットフォーム間で連携させるエッジ領域においてFIELD systemを活用するユーザーが、クラウド領域でLumadaを活用することで、「現場から経営まで一貫してつながる高度な製造業を実現」すると宣言。

(グローバル展開)

 日立はKDDIが2019年度に商用化を目指すグローバルIoT通信プラットフォーム「IoT 世界基盤」(海外でIoTを活用したビジネスを展開するときに使う通信環境、サービス展開、データ分析を一括してサポートするプラットフォーム)のネットワーク回線管理システムの構築支援を行うとともに、IoTプラットフォーム「Lumada」とグローバル通信プラットフォームを連携し、IoT 世界基盤の導入を後押ししていく。

協業の1つとして、7月から日立産機システムが展開する産業用インクジェットプリンターにグローバル通信プラットフォームを試験導入する。

(運輸、交通)

 事業戦略説明会「Hitachi IR Day 2018」で、好調の鉄道ビジネスユニットにおける事業戦略を発表。

日立のIoTプラットフォーム「Lumada」に関しては、予兆保全ソリューションの提案を軸に、サービス、メンテナンス事業の拡大に乗り出している。「設計から生産においてもデジタルデータを活用する一方、ロボット工学にも投資。最新車両には数百個のセンサーを搭載し、ギガバイト級のデータを収集。これをフィードバックし、車両のパフォーマンスを常に把握し、迅速に設計の改善につなげたり、保守性を高め、保守コストの削減にもつなげたりできる」とした。

(製造)

 日立は、産業分野でのモデリングやシミュレーションに広く使われている米マスワークスのMATLAB/Simulinkと、マイクロソフト社のクラウドビジネスアプリケーションを、IoTプラットフォーム「Lumada」により連携させる技術を開発したことを発表。

「摩耗状態推定モデル」をNode-REDから制御し、業務データ・案件データと組み合わせることで、磨耗による故障予知に基づく保守案件情報の自動登録が可能となる。

(チャットボット)

 日立は対話型ボットによる業務改革や価値の創出を支援するデジタル対話サービスの第一弾として、「チャットボットサービス」の販売を開始。

企業内に蓄積されているFAQや業務シナリオなどから、適切な回答を自動的に返すことを可能にし、ヘルプデスクやコンタクトセンターの業務負荷軽減と24時間対応やサービス品質の向上に貢献する。

今後、機能強化およびメニュー拡充を図り、IoTプラットフォーム「Lumada」のソリューションコアとして幅広く展開

(証券)

 日立の人工知能が、カブドットコム証券の相場操縦行為などの不公正取引の調査を行う「売買審査業務」に採用。

AIに学習させ、相場操縦行為など不公正取引に該当する可能性のある売買データを抽出する実証実験を進めてきたが、要審査件数の大幅削減が可能となるなど人工知能活用の効果を確認できたことから、売買審査管理業務に日立のAIを採用することを決定した。

日立は、今回の取り組みをIoTプラットフォーム「Lumada」のユースケースとして広げ、今後もさまざまなステークホルダーとの協創で、ITサービスの開発・提供していく。


以上、私が日々、セミナー用にスクラップしている情報を、極力短くサマリーして掲載しているものです。

短時間で作成しているため、もし、誤りがあれば、ブログコメントなどで教えてください。


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