”「ひと言で言えば…」と、新製品の特性をずばりと言い表す”ことの重要性~ソニーの歴史に学ぶ
今ではマーケティングやお客様への提案において
「Value Proposition(他社に差別化できるお客様にとっての本当の価値)を明確にする」
ことの重要性を、現代のビジネスマンは十分に理解しているだろう。
確かに、製品やサービスの良さは沢山あるのだが、
「あれもこれも出来てて、いいことがこんなに沢山あります」
では、結局何も出来ないことと同じようにお客様は感じてしまう。
「お客様の根本的で最も重要な問題を解決」
し
「自分たちだからこそ提供できる」
ものを明確に打ち出さなければなならないわけだ。
私がそれを感じたのが、ソニーのプロモーションだった。私は30才前後のころ、日本企業や世界中のIT会社の歴史を沢山読んだが、ソニーとマイクロソフトに関する当時の本に、その重要性が書かれていた。
最近、ひょうんなことで、SONYのホームページの「Sony History」でそれを見つけた。
の中の
「第2話 インパクトのあるキャッチフレーズ」http://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/SonyHistory/2-23.html#module2
に、ソニーのブランディングの原点が書かれていた。
その後半に書かれている
”。「ひと言で言えば……」と、あるキーワードをつくり出して、新製品の特性をずばりと言い表すのがソニーの独特の手法だった。”
は、
まさにValue Propositionを中心にしたマーケティング手法である。
当時、これを意識して行っていた日本企業はきわめて少ない。
今の私たちでさえ、つい忘れがちなことだ。
この
「Sony History」 http://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/SonyHistory/index.html
には、1996年までのソニーの歴史が書かれている。いろいろな意味で得るものが多いのでぜひ、呼んで欲しい。 ソニーの皆さん、可能ならこの続きも掲載していただけないだろうか。
少し話はそれるが、同じページの第1話に
「米ブロードウェイのタイムズスクウエアに掲げられた“SONY”のネオンサイン」 http://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/SonyHistory/2-23.html#module0
の写真がある。
この場所にSONYという日本企業のネオンが掲げられたのを見て、当時ニューヨークで働いていた日本の商社、銀行そしてライバルの電気メーカーなどのジャパニーズビジネスマンが大いに勇気づけられ、感動し涙したものも多かったそうだ。私もそれを聞いて感動した。
そういう人を感動させられる仕事がしてみたいものである。 今ならチャンスは山ほどあるはずだ。