「ネット殺人予告」と平井堅コンサートに行ってみた

　先週の土曜日（７月１２日）の夕方、我が家の女子高生と二人で「平井 堅」のコンサートに行ってきた。昨年は妻とだったが、今年はデート気分で楽しい。

　この日、私は息子のサッカー大会の応援（見事優勝）、娘はバスケ部の練習だったこともあり、娘とは現地での待ち合わせとなった。　日中は「３０度を超える猛暑」と、「ネット掲示板での殺人予告」のために、いつもと違ったコンサートなった。

＜平井堅コンサートでの殺人予告のネット掲載で逮捕～その１：ナイフ男＞

　久しぶりの娘とのデートコンサートなので、前の週に福岡で行われる同コンサートに関する情報を、福岡の某ネットサービス会社の社長（飲み会友達）に頼んだ。

　すると、びっくりするような情報が飛び込んできた。

（どの程度正確な情報かは裏をとっていません。ご指摘お願いします。）

７月２日１４時

　カオスファイルというネット掲示板に

「マリンメッセ福岡である平井堅のコンサートを中止しろ！！さもないと、無差別に刺し殺す！！警備隊には乱射する！！その後に自殺する　以上」

　というメッセージが書き込まれたというのだ。　そして、２、３時間後には新たな情報が来た。

７月２日１６時３０分

　予告.in 　参考　→　犯行予告収集サイト「予告.in」公開 (ITmedia)

　に、

と書き込まれ、このサイトの管理人である矢野さとるさんが、書き込まれた内容を確認の上で、２０分後には福岡県警に１１０番通報した。　この矢野さとるさんだが、「予告.in」に投稿された犯行予告のうち、悪質なもの1日に3件程度、累計で50件ほど通報してきたという。

そして２日後。

　７月６日マリンメッセ福岡（娘と私のコンサートの１週間前）

　掲示板での殺人犯行予告があったことから、会場入り口では厳重な警戒が行われていた。　通常、カメラの持込チェックのみなのだが、この日は所持品の検査も行われた（実際には、口頭確認）。

　開演約１時間前の午後５時頃

　所持品検査のことを係員から言われた男が、刃渡り９、６、４センチの３本のナイフを入り口で係員に預けて入場した。　不審に思った警備員が同署に通報したが、この日、平井堅のコンサートには９千人が集まっており捜索を断念。　事件が起こらない事を祈る中、コンサートは無事終了。

　コンサート終了後、預けていたナイフを取りに来た男に、署員が職務質問したところ、刃渡り約９センチの別のナイフ１本を小さいポーチに入れコンサート中に所持していたことがわかり、３５歳の自称、介護福祉士の男を現行犯逮捕した。

　この男の話によると、ナイフは「趣味」で所持していたのだそうだが、「コンサートでの殺人予告をして、ナイフを持ってコンサート会場に入る」という趣味が許されないことぐらいわかっているはずだ。　犯行未遂の目的などはわかっていない。

　しかし、犯行が行われなくて良かった。　あの暗くて混雑したコンサート会場の中で、犯行が行われていたら大変な惨事になるところでした。

　平井堅の歌が、彼に犯行を思いとどまらせたのかもしれない。

　それにしても、せっかく「予告.in」での犯行予告が事前通知され、コンサート前に警察にもナイフを持っていた男がコンサート会場に入ったことが通報されていたにもかかわらず、何の対策もとられずにコンサートを終えてしまったのは残念だ。

＜平井堅コンサートでの殺人予告のネット掲載で逮捕～その２携帯サイト＞

　これとは並行して、平井堅のコンサート関連で、もう一つの殺人予告があった。

　先の例と同じ

２日１５時頃

　今度は携帯電話の掲示板サイトに

「コンサートを中止しろ！　じゃないと無差別に刺し殺す」

と書き込まれた。

　この書込みを携帯電話から見た人が、その日のうちに福岡県警に通報して発覚した。　その後のコンサート会場の様子は先ほどの通りだ。

　同じ平井堅の福岡のコンサートで二つの殺人予告があり、一人がコンサート後に捕まり情報が交錯したが、この時点で、携帯電話サイトに殺人予告を書いたこの男は捕まっていない。

　私と娘のコンサートの当日（１２日）の朝刊に逮捕の記事がのった。

　福岡県警博多臨港署は１１日、平井堅のコンサートを中止させるために携帯サイトの掲示板に殺人予告の書き込みをし警備員を増員させるなどコンサート企画会社の業務を妨害した威力業務妨害容疑で福岡県久留米市草野町の会社役員（３１才）を逮捕した。

「彼女が（平井堅の）ファンで一緒に行く予定だったが、別れて行けなくなった。腹いせにコンサートが中止になればいいと思った」

のが犯行動機だそうだ。

　入れ子になってしまうが、そんなやつだから、彼女から振られるのだ。　それも３１才の会社役員。

<埼玉アリーナでの平井堅＞

　さて、先週の我が家の女子高生との平井堅のコンサートだが、息子のポケモンフェスタで来て以来の埼玉スーパーアリーナにやっとのことで、開演１５分前にたどり着いた。

　昼間は、娘はバスケット部、私は息子のサッカーの応援で、猛暑の中、休憩もない状態でここまで来ていたので、　コンビニに入りたかったが、さいたま新都心駅につくと嵐のようなじょうたいだったため、銀ダコでタコ焼とタイ焼を買って雨宿りをしながら、二人で立ち食いする。　５分ほどで嘘のように雨があがったので、開演直後にコンサート会場に入る。

　福岡での二つの事件が解決したからか、警備はカメラチェックのみで、飲み物なども持ってはいることが出来た。

　「踊る平井堅」だったかな？がコンセプトだったからか、最初はド迫力の演出で始まった。

　１時間ほどして、私の好きなKen's Barの時間になった。　平井堅のトークとアコースチックギターによる弾き語りが始まる。　福岡の二つの事件の事では、かなりショックだったようだ。　また、福岡でのコンサートそのものも点滴を打ちながらという体調の悪さで自分でも納得いく状態ではなかったようだ。

　これらのトークの合間に、「今日はテンションがいつもと違う」というようなことも何度か言っていた。

　また、福岡でのコンサートから、この埼玉アリーナまでの１週間、家の中にこもって、映画を見ていそうだ。　そして、面白い映画を見つけたこと、自分はやっぱり音楽が好きなのだということを再認識したことなどを話してくれた。

　「命がけで歌います」

といいう彼の絶叫が、いつもとは違った決意のように聞こえ、会場から大きな拍手があがる。

　「いろんな事があるけど、どんな経験も決して無駄にはならない」

　「このコンサート会場は愛のある場所だと確信している」

とも言っていた。

独特の間合いで、暖かい笑いをとる彼は本当に魅力的で人間味がある。　そして、そんなトークの合間に様々な感動的な歌が。

　自分の顔のことも話題にしていた。「予想外の驚き」と言われるなどと言って笑いをさそっていた。

＜娘が行方不明に＞

　Ken's Barも佳境に入ったコンサートの中盤から後半にうつったあたりで、「トイレに行って来る」と行って席を離れた娘が、もう３０分も帰ってきていないことに気がついた。

　Ken's Barの途中だったが、娘を探しに全ての荷物を持って通路に出てみる。

　係員に事情を話し、女子トイレをなどを見てもらうが見つからない。　日中暑い中でバスケの練習をしていたので、少し頭がいたいと言っていた。どこかで寝込んでいるのではないかと思ったが、見つからない。

　しばらくして、

「日中の熱射病のせいで、気持ちが悪いので、先に帰ります。コンサート最後まで見てから帰ってきてください」

と娘と妻からメールが届いていた。　コンサート会場では電源を切っていたので気がつかなかったのだ。

　後ろ髪を引かれる思いで、コンサート会場を後にして、電車に乗り込んで娘をおいかける。

　２、３０分前に出ているので追いつけないと思ったが、２回目の乗り換え駅で、電車を待っていると、後ろから娘が来た。　どうやら途中で追い越したらしい。

　二人で自宅前駅まで帰り、娘は帰宅、私は管理組合、自治会などの合同飲み会に参加した。

　最近、ネット犯行予告とナイフ事件が多い。　模倣なのか便乗なのか知らないが、このようなことが起きるにつれ、規制が厳しくなっていくのだろう。

　さて、明日はマイミクになったかわいい女性とＩＴmediaの隣にある帝劇にミスサイゴンを見に行ってくる。　家族以外でのコンサートやミュージカルは久しぶりだ。楽しんできたい。