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ドコモの「SH906i」のCM。 少し恥かしく残念だ。

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 ソフトバンクが年内にiPhoneの発売を行うという発表があったばかりなのに、夜テレビを見ていると、さっそくテレビでAppleの携帯端末らしきのCMが流れてきた。

 アップルMacBook AirのCMで流れていた音楽を少しアレンジしてあるが、聴いた瞬間に、誰でもこのCMがアップルのものであることがわかる。 映像も最近のAppleのイメージを崩さないように配慮しているようだ。 後半は少々ベタな説明調になってしまっているが、日本市場のことを考えてブランドイメージより商品の価値訴求を優先したのだろう、、、

 と考えていたら「SH906i」と表示され、最後はシャープのロゴが大きく映し出された。そう、NTTドコモの携帯電話のCMだったのだ。

 ものまねしたわけではなく、狙うターゲット層がiPhoneに近かったために、似たよう

な雰囲気にしあがってしまっただけのだろうが、日本を代表する通信会社のCMとしては、なんとも恥ずかしい。 日本のCMとしてアメリカ人には見られたくない出来だ。

 宣伝部か、委託先の広告製作会社の担当者がMacBook AirのCMを見たことがあれば、似てしまったことに気づいて変えることもできただろうが、多分、マーケティングの対象としてパソコンが入っていなかったのだろう。

 マーケティングの担当なら、

・同じ市場に後発の企業が製品投入する場合、ターゲットが同じになるので、別な特長を全面に出さなくては成功しない(iPhoneより日本では先だが、実質SH906iが後発)

・後発のベンダーは「破壊型マーケティング」を行えるというメリットがあり、「価格破壊」、「(明確に言わないが)先発を否定するコンセプト」、「既存ユーザーの維持を意識しない戦略」などが行える

 ことを知っており、似てしまったことに気がつけば、何か手を打てたはずだ。ドコモとウイルコムが好きで、SHARPの最近の成功に気をよくしていた私としては誠に残念である。

 NTTドコモは、以前から他にはない個性的で、日本人が親密感を感じるCMを展開してきた。 新ターゲットに向けたCMとしては客観的に見ると非常にいいのだが、AppleのCMを既に見てiPhoneを待つ消費者と購買層が重なるターゲットを狙ったCMという意味では、あまりにも調査が不足していたのではないだろうか。

 話はそれるが、最近のSHARPは製品もマーケティングも凄い。私の親の時代には3流企業の作る4流製品と言われていたが、液晶への積極投資後の地道な改革により、気がつけば超一流企業となってしまった。 それだけに今回のCMはとても残念だ。 海外進出の時には絶対に同様のコンセプトのコマーシャルを使わないでほしい。

 「SH906i」の次のコマーシャルとSoftbankとAppleが出すiPhoneのコマーシャルに期待したい。 そして、この二つの対決をきっかけに、海外にも通じる感性を育ててくれることを、期待している。

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