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なぜ男はスーツを着なくてはいけないの?

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 私がロータス社のマーケティング本部に来たとき、オフィス内にはスーツを着ている人は一人もおらず、ビジネスカジュアル(ポロシャツ、チノパン)だった。 スーツ着ている私に対して部下から「スーツ禁止!」と言われ、渋々ビジネスカジュアルになった。 今、私のチームメンバーはジーンズなどの私服とスーツが半々だ。

 また、沖縄のTelsalesのメンバーはアロハシャツのようなものを着ている。

 新入社員研修の時期になるとブログなどに「なぜ男性だけスーツ を着なくてはいけないの?」という記事が書かれる。

 つべこべ言わずにスーツ着ろ!もう学生じゃないんだから!と言うのは簡単だが、少し整理してみよう。 まずは、スー ツに疑問を呈する意見をブログ、SNSの日記からひろってみた。

<スーツ疑問の意見>

うまくカテゴリ分けできなかったが、以下のような意見が多く見受けられた。

-機能性、合理性から疑問-

・スーツは機能的ではない、デスクワークには向かないし、肩がこるから私服の方が合理的では?

・夏などは、暑くて倒れる人が続出するのがわからないのだろうか?

・いちいち折り目を付けてアイロンしなくてはいけないし、通勤ラッシュでぐしゃぐしゃになる。

・スーツ着るとネクタイ、革靴が必要。 ネクタイは苦しいし、革靴は足が水虫になる。

-上司、会社への不満-

・私服だと、「服に気を使う暇があって、お金を使うぐらいなら仕事しろ」と言うが、そういうおやじがスーツのデザインに気を使って、お金もかけている。

・スーツ着てるかどうかより、俺の仕事の中身を見ろよ。

・スーツにこだわって堅苦しく仕事しているから日本の会社だめなんだ。 外資系は自由でしょ。

・面接官や会社に迎合してリクルートスーツ着るように強制されるのは不本意。人事や上司が人を見抜く力がないのが問題。 自分のありのままを評価して欲しい。

-社会、常識に従うことへの拒絶感-

・大人が決めた常識に黙って従うのは屈辱。

・日本の教育と同じ。平均的な人を作るために、個性を潰すためにスーツを着させている。

・男女平等といいながら、なぜ、男性だけなんだ。

・スーツ着るのは常識だと言うけど、今は常識とは言えないよ。単に年寄りの常識だろうけど。

・高校生の時に制服だったのが、大学生になって大人として認められて私服が許されたのに、なぜ、会社員になってまで制服のようなものを着なくてはいけないんだ。

-自主性、個性、納得感、その他-

・みんな同じようなスーツを着てるなんて個性がなさすぎる。

・とにかく、強要されるものは着たくない。 スーツ着るかもしれないけど自発的に着たい。

・スーツを着なくてはならない、納得行く理由を聞いたことがない。 理由がないのに着るのはおかしい。

・お客様に会う可能性が高いならスーツもわかるけど、オフィスワークのものにも強制するのはおかしい。

・なぜ、スーツなんだ。日本人なら着物でもいいじゃないか。

<スーツを着なくてはならない理由>

 スーツを着なくてはならない絶対的な理由はない。 しかし、

①シチュエーションによってスーツを「着たほうがいい場面」と、「着”ない”ほうがいい場面」がある。

会社や部長の組織文化造りの方針、慣例、マネジメントスタイルのこだわりの一つとしてスーツ着用を求めることがある。

 重要なのは、

「自分の価値観や考えを押しつけるのではなく、相手やまわりの協力者に配慮する」

「服装などというどうでもいいものにこだわらずに相手や慣例に簡単に合わせられるスーツを着て、プレゼンや仕事の内容のような本質的で重要な部分で徹底的にこだわりを持つ」

 ことだ。

<なぜ、スーツなのか>

 ビジネスでの制服としてスーツが一般的になっているが、必ずしもスーツとは限らない、作業服が制服だったり、スーツではない特別な制服を着ている場合もある。

 ただ、状況判断がつかない場合は、スーツを着ることが慣例となっている場合が多い。 スーツの歴史についてWikipedia等にゆずるが、様々な歴史の中で、現在、ビジネスやオフィスワークにおいて最も皆が不快感を感じないのがスーツのようだ。

 「日本なのだから着物が正装のはずだ」という方も居るようだが、正装かどうかの問題ではない、モーニングを着てくるのも、和服を着てくるのも違和感を感じる人が多いのが現状だ。

 なぜスーツなのか? それは、現在、ビジネスのシーンで最も多くの人が違和感を感じない場合が多いのがスーツだからだ。 もちろん、先に書いたロータスのマーケティングのように、私服の方が違和感を感じないようなところでは私服だ。また、私服が許されていても、ビーチサンダルにバミューダは許されない場合が多い。

<スーツを着た方がいい場面>

 会社としてはお客様や同僚に不必要な誤解を与えず、本来の話や本質的な議論に集中するために「スーツを着たほうがい い場面」ではスーツを着ることを強要する。 例えば、スーツでビジネスをするのが慣例となっている業界で、自分のことを非常に評価してくれているお客様の取締役とそのチームに対して最終のプレゼンをするときには、バミューダパン ツとタンクトップで個性を出してはいけない。 基本はスーツを着用するべきだろう。 バミューダパンツよりスーツの方が無難だからだ。 いくら、バミューダパンツが機能的で涼しくてもだ。 個性はプレゼンテーションの中身やあなたの情熱で示せばよい。 中身が重要なのだから、

 広告業界だったり、デザイナー、一部の放送業界やソフトウエア会社などで、ビジネスカジュアル(ポロシャツにチノ パン)が慣例になっていれば、慣例に従おう。 ポロシャツでもいいけが、ポロシャツをズボンの外に出さないほうがいいと会社から言われている場合や、チノパンでいいけどジョギングシューズは禁止としている場合もあるから、KYにな らないように先輩に相談するといいだろう。

<スーツを着ないほうがいい場面>

 「着ないほうがいい場面」とは、例えば、オフサイトで研修施設などでお客様とディスカッションしたり、新ビジネスのアイディア出しをするばあいなどに「ビジネスカジュアルで気軽にアイディアを出し合いましょう」という話になっている時だ。

 日本の政府がアメリカ大統領の別荘に招かれて、スーツで行ってしまい、慌ててネクタイだけとったというエピソードもある。

 また、社員旅行で温泉に行くのに風呂の中までスーツを着てきたり、ハワイの慰安旅行でビーチにスーツを着てきてはいけない。 常識に縛られたくない!と思っても裸一貫で温泉に入り、水着にTシャツでビーチを走り回るべきだろう 。

<まとめ>

 スーツを着ても、ビジネスカジュアルでも、どんな服でも構わない。 しかし。、チーム、組織で活動しなくてはならない限り様々なユニフォームが存在する。 そして、それを決めるのは、一個人ではない。 長い時代を経てできあがった慣例とチームをマネジメントしなくてはならないボスだ。そしてお客様だ。

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