日本のエグゼクティブは「ITは苦手」が自慢になる
とあるコンピューターメーカーの40代の事業部長の自慢は「パソコンには疎くて」だ。 お客様のところに行っても平気で言う「自慢じゃないですがITはまったく駄目なんです。でも、この私が使えるんですから、、」。
最近良く感じるのだが、日本のマネージャーは同様の発言をする人が多い。
「携帯でメール打つなんて考えられませんよ。ビジネスに使うのはメール読むぐらいですね」と通信会社の本部長。
「EXCELでピボット使うと便利ですよ。私は出来ませんがね」と某大手ソフトウエア会社の営業部長。(ピボットという言葉知ってのは凄いが)
「私はブログは使ってませんが、御社のようなIT企業では、、、」と国産のブログ製品を出している40代のマネージャー。
なぜか、実際はITを使える部長や本部長でも「いや、私はITは苦手なので、わかいやつらに」という。 私の知っている限り、大手SIベンダーの部長、本部長でもほとんどが口癖のように言うのだ。まるで、
偉くなるためにはITが使えることは悪であるかのように言うのである。 「ITを使いこなすのはオタクのやることだ。俺の本業はITではなくマネージャーだから」と言っているようにも聞こえる。
先日、US(アメリカ)から来た、マーケティング系の女性に聞いてみると、むこう(USのエグゼクティブ)は、ITが使えないと”恥ずかしい”と本気で謝るそうだ。 「次回までにマスターしておきます」と付け加える。
日本ではエグゼクティブがセミナーで講演するときは側近が作るし、EXCELなども部下に任せるというと、とても驚いていた。 日本の企業でチャットが普及していないと聞いたけど、それが理解できた気がするそうだ。
USでもお客様向けプレゼンのファイナライズ(レイアウトやフォント、言い回しの統一)は、スタッフがやるが、ドラフトは自分で作るし、経営やマネジメントのプロであるマネージャーやエグゼクティブが表計算でのシュミレーションや会議の為の資料作成を部下に任せていては、時間がかかってしょうがない、考えられない、というコメントだった。
むこうでは比較的ITの苦手な人が多い食品製造業の役員でさえ、経営のプロとしてメール、表計算は自在に使える。
実は、典型的な日本人の私は「IT苦手」という経営者、マネージャーはの感覚は理解できる。。 なんとなく人間味を感じてしまうのだ。 しかし、出来ないほうが上にあがれて、出来ないことを自慢するのはどうかと思うのである。
皆様の会社の役員、部長はどうだろうか。ITは経営者、マネージャーの”プロとしての仕事道具”だと思うのだが、、、。