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アメリカ人ビジネスマンが必ず使う6つの交渉テクニックとその対策

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 アメリカ人のビジネスマン、政府関係者の交渉術は建国後から基本的に変っていない。 

 明治維新の黒船騒ぎの時の幕府に対するものも、北朝鮮や中東各国に対する時も同じ交渉術である。

(上の写真の右前にいる革ジャンの男性は@ITの浅井さん)

 その中でも、多くのアメリカのビジネスマンが意識的あるいは無意識に利用している古典的な交渉の基本テクニックは以下である。

1.ハイボール(High ball)

2.怒り役となだめ役  (Good and Bad COP)

3.最後のひとかじり ( Nibble )

4.お化け (Bogey)

5.選択肢から選ばせる (weigh options)

6.先例にならう (Stare decisis)

 このうち、今回は、外交の世界でも良く使われている3つの戦法を紹介する。

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1.ハイボール(High ball)

 キャッチボールの時に、相手が到底取れない高い玉を投げ1続けて、「それは無理だよ」と言わせた後で、相手がぎりぎり届く玉を投げることで交渉のベースを上げておく作戦だ。

 例えば、日本法人の来年の営業予算を決める場合に日本側が「USのHRから40%UPの$1000Mぐらいの予算でやれと言ってくるだろう」と思っていそうなら、まず100%UPの$2000Mなんていう数字で通達する。 当然日本法人では、それは日本市場の状況を考えれば無理だと言ってくるが、ずっと言い続ける。 しばらくして日本法人の"常識的"な感覚が高いほうにずれてきてから、中間の$1500Mぐらいで押し切るような先方だ。

 日本人感覚からすれば、交渉しながら少しずつ妥協点を模索していこうとするが、向こう側は、ずっとハイボールを投げ続ける。 そうすると、日本のビジネスマンは妥協点を少しずつ上げて来て、お手上げ状態になったタイミングで、お手上げ状態よりさらに少しだけ上の数字で妥協させるのだ。

 値引きも同様で、30%値引きさせたければ、60%OFFという高い値引率を要求し続けるわけだ。

<対策>

 対策は、法外なハイボールに対しては、さらに法外なローボールを投げ続けることだ。 そして、相手側がハイボールから妥協し始めたのを見てから妥協点を探し始めるべきだろう。 ハイボールが投げられたら、チキンレースだと思わなければならない。我慢比べだ。

2.怒り役となだめ役 (Good and Bad COP)

 一昔前(30年ぐらい前かな)、8時だよ全員集合などで、警察の取調室でのコントが良く放送されていた。 刑事が犯人の顔を白熱灯(ジブライトのようなもの)で照らしたりとかして、眠らせないようにしながら激しく尋問している途中で(今こんなことやったら大変なことになるだろう)その刑事がトイレなどで席を外したタイミングで、今まで記録をとっていた別な刑事が「ところで、田舎のお母さんはどうしてる?」とか優しく聞いたり、「♪ うーさーぎー追いしーかの山ぁー♪」なんていきなり歌を歌ったりたり、カツ丼の出前を頼んであげたりと優しくして白状させるのである。

 ビジネスの場では現場の担当者が交渉相手に対して強気の交渉をさせておき、交渉が難航したタイミングで、話のわかる上長などが「まあ、まあ、そう高飛車に出ずに、相手の意見も聞きましょうよ」などと入ってきて、有利に交渉をまとめてしまうのだ。

 日本では「借金取戦術」とも言われている。

<対策>

 この対策としては、無視し続けるか、「Good / bad copはやめて、本気で話し合いませんか?」と言って、相手の戦術を悟っていることを伝え、通常の交渉に場を変えるのが効果的だろう。

3.最後のひとかじり( Nibble )

 私も車を買う場合などに良く使う。 当て馬の車会社からも見積もりを取りながら、交渉を進め、「わかりました。パジェロにに決めます」と一度言っておいてから、「一つ条件があるのですが、シートを革張りに変えていただけませんか? これが唯一の条件です。変えていただければこの場で決めます」と言って、付属品をただにさせたり、オプションを少しづつ勝ち取っていくやりかただ。 売る側からすれば、「この高枝バサミを今、買ってくれれば最後の仕上げに使える枝バサミが付いてきます。」というように、最後の一押しを安価なおまけを「今なら」と言って付けることで高価なものを買わせてしまうやり方だ。

<対策>

 対策としては、先の車の例であれば、「それは無料でつけることは出来ませんが、」と言って、別のより安いものをつけることで契約を決めてしまうことだ。また、相手が購入を急いでいると感じた場合は、「少し時間がかかりますし、社内での説得が難しいかもしれませんが、持ち帰らせていただきます。」などと、相手の弱みとなる条件に付けこんでいく方法をとるべきだ。

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 新たに様々な交渉術が出てきているが、日常的に利用してくるのは上の6つである。

 これらの方法をあからさまに利用してくるが、日本人はこれに対して外交、ビジネス共に無防備なことが多いようだ。 また、日本人でも、これらのことを有効に使ってくるものが増えてきている。

 基本的には戦法は知っていおいて、冷静に、理路整然と対処していきたいものである。

IBM 吉田 賢治郎のWeb 名刺

Comment(2)

コメント

NDOMINO-S

1.ハイボール(High ball)
<冗談>
ちなみにノーツの場合、ドミノデザイナーのライセンス料の法外なハイボールに対して、コミニュティの某人物が法外なローボール(デザイナーライセンス料無料化)を投げ続けているのにIBM/Lotusは全く妥協しない。(少しは妥協してくれIBM/Lotus。でないと会社がライセンス料の高さを理由にNotesアプリ担当者を増やしてくれない)

2.怒り役となだめ役 (Good and Bad COP)
<冗談>
なおIBM/Lotusでこの「なだめ役」の交渉術を得意とするのが吉田 賢治郎ロータス事業推進部 部長である。
○○クロソフトや××ボウズが激しく営業攻勢している途中で、その競合他社の営業が来ていないタイミングでやって来て、「ところで、おたくの会社の情報共有どうしてる?」とか優しく聞いたり、「♪ 会社ー追いしー業務改ぃぜんー♪」なんていきなり歌を歌ったり、カツ丼をおごってくれたりしてNotes/Dominoを買わせるのである。(ウソです。)

3.最後のひとかじり( Nibble )
<冗談>
ちなみにNHK受信料でこの交渉術を使うと「おしりかじり虫」のCDをゲット出来る。(ウソです。)

NDOMINO-S-san
>ライセンス料の法外なハイボールに対して、、、、
冗談だとは思えないあまりにもリアルな例え。丸山さんも参入しそうで、怖いです。
>「♪ 会社ー追いしー業務改ぃぜんー♪」、、、
うまい!!
>「おしりかじり虫」のCDをゲット
はやってますね。
 それにしても、本当にうまい。まるで、ブログの記事を見ているようです。 面白いが、ちょっと怖いコメントありがとうございます。 真摯に受け止めます。

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