企業内SNS/ブログはマイノリティが牽引
先月の後半、数万人、数千人、数百人の3企業におけるブログ/SNS活用事例を聴いた。 その話を整理してみると、以下の3つが企業内で有効に活用されているようだ。
1.イントラネット情報発信サイトの代替・補完
2.ロングテール情報の活用と人をバスにした宝探し
3.マイノリティのコミュニティ
その中でも、「3」のマイノリティのコミュニティに関しては興味深かった。
3社の内の1社は「マイノリティーズ」というSNSを社内に立てている。
SNSを導入して2年たち、発足当初、盛んに書込みが行われていたコミュニティも、徐々にアクティブユーザーが減少していったが、このマイノリティのコミュニティだけは安定して活発さを維持しているそうだ。
このマイノリティが企業内ブログ/SNSの活用を牽引していると言ってもいいほどだ。 マイノリティのコミュニティとは何かと言うと、、
・同じレベルの障害を持つ方
・結婚・出産予定の女性
・母子・父子家庭の親
・単身赴任者、海外赴任者
・熟練職人
・日本企業で働く外人
・禁煙チャレンジ
・新入社員
・入社内定者とOJT予定者
・TOEIC350点以下の会
・女性技術者、女性営業
・在宅勤務者
・特殊な分野の技術者
・TOPセールスマン
などの少数派の社員が参加するコミュニティのことである。
今まで彼ら、彼女らは各部門の中で、いろいろな意味で孤立したような感覚を持っていたが、社内SNSのコミュニティにより様々な出来事、問題点を前向きに考えられるようになったのだ。
そして、このコミュニティが新しい制度の企画を作り、会社に対して提案して、新しい制度を発足させた例も出ている。
例えば、
・育児休暇
・海外赴任者の自宅の借り上げ
・研修費補助
などである。 これらの中で、最も私が素晴らしいと感じたのが、「熟練職人」のコミュニティであった。
このコミュニティは40歳を越えて管理職になっていない社員が参加するものだそうだ。 管理職コースから外れて万年平社員だと感じた社員が集まってコミュニケーションをするうちに、会社に必要なのは管理職だけではない、スペシャリストが必要だという話になり、
・スペシャリスト制度の企画と会社への提案
・営業・技術スペシャリスト育成プログラム(研修)の立ち上げ
・各スペシャリストのブランド化とスペシャリストの品質維持施策の実施
などを推進し、管理職にならなくても、ある分野のプロフェッショナルとして企業の中での地位が保証される制度と仕組みを作り上げたのである。
また、彼らはスペシャリスト制度で会社から認められるようになると、自発的に自分のブログでノウハウを披露するようになり、若者や管理職との意見交換により、活発に意見交換とノウハウの伝承を行うようになった。
対象となる社員にとってはもちろんメリットが大きいが、会社にとっても現場の活性化と管理職にならなかった社員の業績貢献という意味で大きな効果があると言える。
社内SNSで継続的に最も大きな効果を生むのはマイノリティを対象としたものなのかもしれない。
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